これまで、何度か訪れたことのある大峰山。京都南部の低山で我が家からも近
い。なんの変哲もないヤブっぽい山で、私が好んで登っている『天皇川谷』の
ルートは、一部のガイドブックには記載があるものの、現地には明確な登山口
の表示や案内板があるわけではない。よく見れば、辛うじて登山口らしき道標
がある程度だ。低山の割にヤブっぽい登りは、それだけでも私にとって手軽に
ヤブの雰囲気を味わえる山であったが、98年の9月20日に訪れたときにカ
リガネソウの花を見つけ、俄然私にとっては魅力のある山になった。
10月に入ってしまってはいたが、その大峰山に出かけてみることにした。ル
ートの詳細については、#308・#350・#356を参照していただくとして、今回は
大まかに書くことにしたい。
登山口の旧田原天皇社跡に車を止める。草刈が進んでいて、登山口辺りは幾分
綺麗になっている。従来、水道設備へ行く為の道であった方にも、滝への道標が
立っていて、今回はそちらから入ることにする。すぐに堰堤があり、その手前に
水道設備がある。滝はなかったような気がするが、あったとすれば、極めて小さ
いものだろう (^_-)
水道設備の手前から右手の土手に上がると、いつもの登山道に出る。しばらく
広い道が続く。草刈がされていて、歩きやすい。雨後のこともあってジメジメし
た道は、あまり草深いとマムシなどが気になるところだ。
鉄板の橋で右岸に渡り、また鉄板の橋で左岸に戻る。しばらく左岸を登るが、
枝打ちされたり、間引きされた材木がゴロゴロと横たわり、草刈もされているよ
うで、カリガネソウの期待は薄くなる。しかし、以前見かけたところまでやって
くると、倒木の間になんとかカリガネソウが花を咲かしている。ほっとして、写
真を撮るが、最近持ち歩いているデジカメでは、こんな薄暗いところでは、なか
なか巧く撮れないものだ。ピントが合わないか、手ぶれかだ。フラッシュをたく
と白く色が飛んでしまうし・・・
カリガネソウは沢の近くのヤブのようなところで、青い可憐な花だが、あまり
匂いを嗅いだり、茎に触ったりしない方がいい・・・(^_-)
しばらく沢沿いに進み。途中から右岸の関電巡視路を急登。尾根に出ると右手
に行く踏跡が2つあるが、右の少し荒れた道を登る。ほどなく、林道終点に出る。
「林道、少し伸びたのかな・・・」というような感想を抱きながら、傾斜の緩
い未舗装の林道を登る。トロトロと15分ほど歩くと、舗装道路に飛び出す。左
に数分歩き、次の分岐で右手の道に入る。あんまり車や人が通ることもないのだ
ろう。道端のススキやヤマゴボウなどが、道路に大きくせり出している。アンテ
ナ設備を経て、二等三角点のある頂上へ・・・舗装された道の右手の薄暗い林の
中に三角点はあり、なんの風情もない。水分補給をすると、下山開始。来た道を
戻る。
アンテナ設備下まで下りてくると、登ってくる5〜6人の集団に出会う。「ど
ちらから?」と問われるので「天皇川谷を・・・」というと、彼らもそのルート
を目指していたが、途中で、よく判らなくなったみたいだ。ほとんど一本道のは
ずだが、途中が荒れていたのかも知れない。三角点の場所を教えてあげたりして、
分かれる。後ろから「こんな山に来る人もいるのねぇ・・・」なんて声が聞こえ
てくるが、その思いは、こちらも同じだ (^_-)
私たちは、途中から関電巡視路に沿って尾根に上がったので、下りは、天皇川
谷を下ってみることにする。先ほど登ってきた林道分岐を少し行き過ぎたところ
に、もう一本、未舗装林道への分岐がある。以前に、天皇川谷を詰めて登ってき
た時には、この付近に出てきたのだが、その踏み跡は今はヤブになっている。ま
あ、取り敢えず、ここで昼食にする。
休憩後、天皇川谷への下り口を探して、舗装された林道を下る。50mほど行
くと、右手の薄暗い林に入り易そうなところがあり、よく見ると、古びた白いテ
ープもある。酷い蜘蛛の巣を芳子に借りた杖で払いながら、林の中に踏み込む。
一応、苔むしたような踏み跡が続いている。あまり通る人はいないみたいだ。以
前、登ってきたときの記憶は定かではない。家内は不安がっていたが、私には間
違いない・・・ように思われた。広い谷を下って行く。ほとんど流れはない。時
折、倒木のため踏み跡がやや不鮮明になってはいるが、険しい谷ではないので、
どうにでも下って行ける。
10分ほど下ると、左手に登る道と右手の谷沿いに下る道とに分かれる。もち
ろん、ここは右に下って行くのだが、よく見るとここに立派な道標がある。この
谷を登ってきた人にとっては、頼りになる分岐道標だ。
さらに少し下ると、先ほどのと同じような立派な道標があり、さらに少し下る
と、往路に関電巡視路に分かれた分岐に出る。後は、往路を下る。カリガネソウ
をまた写真に撮る。もう少しで登山口の鉄板の橋があるところの少し手前に、左
の斜面に登る分岐がある。いつも、見かけて一寸気になっていたので、上まで上
がってみると、林道の終点となっている。帰って、地図をよく見てみると、ここ
から、林道で大峰山まで行けるみたいだ。
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