静かに時の流れる新春の三上山 「京都南部」


2000年 1月 3日(月曜日)  曇り時々晴れ
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低山徘徊日記
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 Y2K対応での1日・2日の出勤を終え、ようやく正月の休みを迎えることと
 なった。社会インフラにおいても、特に大きなトラブルもなく迎えることが出
 来た新ミレニアムだが、各人各所での、地道な努力の賜物だろう。私の勤める
 ライフでも、この2年ほどはY2K対応が仕事のメインのひとつだった。何事
 もなく拍子抜けの感もあるが、まずはメデタシ。

 目を覚まし、どこかに出かけようと考えるが、どんよりとした雲に覆われた空
を見て、近くの三上山に行ってみることにする。近くなのでテレビで箱根駅伝を
見ているうちに、はや11時を過ぎる。「さあて、ぼちぼち出かけるか・・・」
道々、「今年は、初心に返って、もっと計画的に山に行くようにしなくちゃいけ
ないねぇ」「せめて、前日に行き先は決めるようにしよう・・・」「荷物も前夜
の内に用意するようにしなくちゃぁ・・・」などと、新年の決意を新たにしたの
だが、いつまで続くことか・・・(^_-)

 山麓にある「山城町森林公園」の少し手前に車を停めて、身支度にかかる。身
を屈めて靴紐を結んでいると、落葉が風に舞って足元に絡みつく。カサコソとい
う音もうら寂しい。公園を訪れる人も今日は少ないだろうと思っていたが、それ
でも釣りをしている人など、何人かの姿を見かける。入場料も要らないだろうと
思っていたが、きっちり100円/人を徴収される・・・^^;

 いつものように「長寿の道」を登る。まさに冬枯れの道。緑の多い季節とは趣
が異なる。山道に入っただけで、「来てよかった・・・」との感を強くする。た
とえ1時間でも歩ければそれでいい。取り付きの急坂を息を切らせて登る。筋肉
が痛いほどに緊張する。10分足らずのアルバイトではあるが、山に来た実感が
湧いてくる。

 ほどなく尾根筋の緩やかな登りとなる。火照った身体に程よい冷たさの風。心
地よい歩きとなる。三上山のひとつ手前のピークへ階段道を登る。ピークを過ぎ
て下っていく。夏場だと雑木の茂みを潜るようにして歩く場所があるが、今は葉
を落としていて、随分歩きやすい。

 いよいよ、本峰への登りだ。植林の間の坂を登っていくと分岐があり、左は
「三上山頂」、右へは「頂上の道」とある。以前来た時も不思議に思っていたの
だが、右へ行っても山頂へは行かない・・・「この道標間違ってるんちゃうか・
・・」と思っていたのだが、今回、よく考えてみると、これは「山頂の道」と書
いてあって、「山頂への道」ではない・・・そうとしか考えられない。下山時に、
この道を辿って下り立ったところに「山頂の道」の看板があったので、ようやく
納得がいった。「長寿の道」と同じく、単なる道の名前なのだ。ちょっと紛らわ
しい道標ではある。
 
 その分岐を左に登るとすぐに林道に出る。これは以前に来た時には未だ出来て
いなかった。「なんで、こんなところに・・・」「味気ないなぁ・・・」などと
ブツブツ言いながら林道を右手に上る。山頂直下と思しきところ・・・林道が大
きく右カーブしている奥から頂上への階段道が続いている。ほんのひとのぼりで
頂上。前回来た時から出来ていた大きな展望台が迎えてくれる。

 展望台から付近の山を見回したあと、その下のベンチに腰掛けパンをかじる。
心配されたお天気も、なんとかもってくれている。それどころか、時折、日が射
すこともあり、まずまず。降られることはなさそうだ。予想されたことだが、人
っ子ひとりいない山頂は、まさに独り占め。近場ではあるが、年末年始の喧騒か
ら離れるには十分だ。

 下山は、いつも登って来る古い山道を辿ってみることにする。と言っても、な
だらかな尾根道を少し下るだけのこと・・・すぐに、新しく出来た林道に飛び出
す。この林道のおかげで古い山道は30mほど潰されてしまったみたいだ。昔の
道標が林道の傍らに投げ捨てられていた。また、私はまだ通ったことはないのだ
が、一度歩いてみたいと思っていた「かいがけの道」は見事に林道に組み込まれ
てしまったようで、跡形もなかった。

 林道を左手に少し行くと、先ほど林道に飛び出したところに戻る。そこから、
また、植林の中の山道となり、ホッとする。「頂上の道」の道標のある分岐から
左に、すなわち「頂上の道」に入る。しばらくは山腹のトラバース道が続く。あ
まり使われていないのか、上ってきた「長寿の道」に比べるとやや細く、谷側の
しっかりしていないところも何箇所かある。やがて、右手の尾根へジグザグに下
っていく。傾斜が緩やかになるとまっすぐの尾根道となる。

 途中林道へ出る分岐を左に見て、なお直進。ややザレた感じの道は、木の葉が
積もっていることもあいまって、滑りやすそう。注意しながら小さなステップで
下っていく。シーズンにはマツタケも採れるというこの辺りは、それを探す人が
つけたのだろうか、やたら踏み跡が付けられていて、荒れ始めている感じがする。

 人工的に付けられた階段道を何度か下って、舗装された林道に出る。三上橋だ。
夏には水遊びをする人で賑わい、バーベキューの匂いがたちこめる川沿いの道は、
山を下りてきた人にとっては町に戻って来たも同然だったが、今日は十分自然の
渓流を楽しめる。淀みの水の青さも夏とは違う。子供らのはしゃぐ声の代わりに
ほのかな瀬音も聞くことができる。

 花の少ない季節で鮮やかな色に出会うことは稀だが、レンギョウの黄色 木守柿
のオレンジ色が眼につく。たくさんの実の残ってる柿の木があって「渋くて鳥も喰
わないんでしょうね」というので「登って採ってみようか・・・」というと「前に
もそういって食べてみたじゃない・・・」と笑う。そう、確かそんなこともあった
かなに・・・(^_-)

2000年 01月 03日 (月曜日) 曇り     (メンバー)芳子

        12:10- 12:15           車デポ地                        
        11:25                  「長寿の道ルート」登山口            
        12:30                  尾根筋に出る                 
        12:40                  ひとつ手前のピーク              
        13:05- 13:25   473.0m  三上山(サンジョウザン)                           
        13:55                  三上橋付近林道                 
        14:15- 14:20           車デポ地                        

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