ここ数日、「寒の戻り」とか「花冷え」という言葉を聞く。少し寒くなってき
ている。MLの仲間のレポートを見ていても「思いがけない雪」「なごり雪」が
目に入る。とはいうものの、今日の予定は春の花と山菜。毎年のように出かけて
いる室生の三郎ケ岳だ。まさか雪はあるまいと、お天気もよさそうなので雨具を
持っていくのを外そうかとさえ思ったのだったが・・・・
R165を東進。榛原からからR369に入り、高井で旧道へ。ここから仏隆
寺までの道端にはフキノトウもよく見かけるのだが、この日は、総じてトウのた
ったものが多かった。時期が遅すぎたようだ。
シーズンもいいので、仏隆寺の駐車場も一杯かと思ったが、最近、石段上にも
駐車場が出来たせいかガラガラ。奥にある無人販売所の手前に車を止める。
いいお天気のようであったが、歩きはじめる頃には雲が多くなってくる。峠に
ある登山口までは、山裾の集落や畑の間を通じる舗装道路を縫うように上がって
いく。スミレやヒメオドリコソウ、ネコノメソウなどの花も見かける。フキノト
ウも美味しそうなものだけを5〜6個いただく。
登山口の峠までやってくる。車2台止まっている。「ああ、誰か登っているん
だなあ・・・」と思いながら、登山口の短い階段道を登る。墓場の横を過ぎ、少
し広い道に出る。左にとる。左手にカーブしていく道もあるが、右カーブにやや
登る広い方の道をとる。20mも行くと左手に登る細い道。ここからが本格的な
登山道だ。
登山口では、ほんの少し小雪が舞っていたが、それは上がり、その代わり、木
に積もった雪がドサドサと落ちてくる。まともに当たるとかなり痛いじゃないか
・・・(^_-) 短い時間だが急坂もある。一部には最近取り付けられた鎖があっ
た。足をとられるほどの積雪ではないが、思ったよりもかなりの雪だ。
頂上に近づくとチェインソウの音が聞こえてくる。頂上に着く。2人の方が草
刈中。チェインソウではなかったようだ。登山口の車もこの人達のものだろう。
山頂の社にお参りして芳子を待つ。芳子が来たとたん、草刈の人が声をかけてき
たように聞こえた。慌てて「コンチワー」と声を返す・・・が、どうも様子が変
だ。雪のために滑ってこけただけのようだ。でも、危ないわなぁ・・・草刈機を
持ってこけたりしちゃ・・・
焚き火のそばを通りかかると、もう1人の人が「暖まって行きなさいよ」と声
をかけてくださったので、少し立ち話をする。この雪、やはり昨日降ったみたい
だ。高城山は地元の人にとっては三郎ケ岳より身近な山のようで、頂上には社も
あり、以前来たときには地元の方が大勢上がってお祭りをされていた。そんな山
だけに、手入れも行き届いている。
三郎ケ岳へのルートに入る。何度も歩いていると三郎までが意外に近く感じる。
途中の3つの小ピークを、ひとつひとつ噛みしめるように歩く。最近心がけてい
るのは、なるべく同じペースで歩くことだ。一歩一歩がその日の山歩きだ。
先行する踏み跡だけでなく、下ってきている靴跡がある。峠近くの集落の中で
すれ違った単独男性のものだろうか・・・その時は「下りてくるには随分早いな
ぁ・・・」と奇に思ったのだったが・・・
三郎ケ岳の山頂に出る。先行の単独男性1人。彼も、今しがた到着したところ
のようであった。「こんにちは」と声をかけると「展望がいいですなあ・・・あ
れが高見山でしょうか?」と言葉が返ってくる。話を聞いてみると、神戸から電
車で来たと言うことだった。それに、確かに展望がいいはずだ。頂上付近の立木
がほとんど切り払われている ^^;
彼はラーメンを作って昼食のようであったが、私達は少し立休みしただけで下
山開始。北の尾根を唐戸峠を目指す。
【このルートは、この後書くようにかなり荒れており、一般ルートとはいえなく
なってしまいました。要注意です。】
積雪量は大したことはなかったが、笹原の道が続く。低い笹だが、登りともな
ると、膝の上まで濡れてくる。初めの小ピークを過ぎたところで、念のためザッ
クの中を確認してみる。家を出るとき、入れようか入れまいか迷った雨具はちゃ
んと入れてあった。こんなことなら頂上で確かめればよかった・・・と思っても
後の祭り。それでも、とりあえず、「持ってきてただけラッキー」ということで、
濡れたズボンの上からはいて、後は雪などものともせず歩く。
倒木が多くなっていて、戸惑う
以前と比べ倒木が多くルートは不鮮明。古い記憶を頼りに歩くのだが、様相が
大きく変っていて、不安になる場面も・・・ 古びたビニールテープなどを頼り
になんとか前進する。倒木は、後半、唐戸峠に近づくにつれて酷くなる。大木が
根こそぎ倒れている。それらの木の根元をよく見ると、大きな岩盤の上に張り付
くように生えていたものらしく、その分、大地にしっかりくっついていなかった
ようだ。大きな木なので、何十年もそういう環境で倒れることなく育ってきたの
に、よほどの風が吹いたのであろう。
何箇所かの注意すべき分岐があるが、それは詳しくは書かない。それはオスス
メのルートとは言えなくなってしまっているからだ。
おまけに、唐戸峠直近では、一時家内とはぐれ、ウロウロとパニくる。でもな
んとかめぐり合う (^_-) すぐに唐戸峠へ下り立つ。
あとはぶらぶらと林道を仏隆寺へ下る。まだ花はないが・・・ 仏隆寺の樹齢
900年の桜の古木が「お帰りなさい」と迎えてくれる。
[後日聞いた話だが、同じ日、MLの仲間のお1人が20名ほどの団体で同じ
ルートを下られた由・・・惜しいニアミスであった。
私たちの踏み跡が期せずしてお役にたったらしい (^^)v ]
|