この時期なので、暑いのは覚悟の上で生駒山の様子を見に行ってきました。
大分、太陽が高くなってきて家を出る。それでも、日陰はさほど暑くなく、空
気は、ほんのちょっぴりだけ、秋の気配を感じる。
西大寺駅の売店でサンドイッチを、石切の駅を出たところでスポーツドリンク
を買い込んでザックの上ブタのポケットにしまう。幾分、涼しさも感じられるか
と思ったが、まだ、8月。日差しは強い。今日は、比較的日陰が多いと思われる
カエデの道を行く。木陰や家の陰を選びながらアスファルトの道を登山口へ向か
う。ひときわセミの声が喧しくなったと見ると、目の前の街路樹に2匹とまって
鳴いている。
登山口からは、昼なお暗い木立の中を行く。谷添いの道で僅かな流れはあるの
だが、風もなく陰鬱としていて、さほど涼しげではない。ただ、太陽が当たらな
いということだけが救いだ。3回ほど堰堤を巻きあがると、沢筋を離れて右岸の
尾根への急登となる。ここだけは強い日差しを浴びてしまう。夏草の生い茂った
階段道を登る。短い距離だがドッっと汗が吹き出す。尾根筋へ出て、藤棚の下で
芳子を待つ。沢道より随分明るく、木陰には入っても照返しがある。でも、ここ
には爽やかな風がある。
アケビの道に合流。この尾根道も、比較的木陰が多い。緩い傾斜を登っていく。
分岐があって左へ下ると隣の尾根のくさかコースへ至る。その脇にもう一本ヤブ
道があって、この道も遊歩道に通じていたはずなんだが・・・少し辿ってみる。
ハイキングコースを少し外れただけで、すごい山奥に誘い込まれた感じがする。
見覚えのある送電鉄塔に出る。眼前に遊歩道が見えているのだが、鉄塔から先の
ルートはますますヤブっぽい。ここは、潔く引返すことにする。分岐まで戻り正
規ルートを登る。
遊歩道に出て少し左へ行き、日陰のベンチに腰を下ろす。登り口で買ったスポ
ーツドリンクの缶を開け、一気に飲む。まだまだ、昔に習ったことが頭から抜け
きれずに、登る途中で水分を補給することは滅多にしない。
低山といえども、ここまで上がってしまえば、結構、涼しい。遊歩道を走って
くる人も多い。「下界を走るより、ここで走った方がよほどマシ・・・」という
ことは納得できる。
遊歩道を大原山へ向かう。こういうところのいいところでもあるのだが、道路
が整備されていて、草刈りなんぞがきちんとされているものだから、草花も一緒
に無くなってしまってるじゃないか・・・(^_^;) ホタルブクロも、大方刈り取
られていたが、ほんの少しだけ残っている。カワラナデシコも・・・少し残って
いる。
あじさい園の手前までくると、ヒルガオが咲いている。生い茂る草葉のなかに
埋もれるように花が咲いている。まともに花の全てが見えているものは少ない。
昔、肌色・・・という表現があったのを思い出した。風通しのよいカーブの木陰
で弁当にする。まだまだ暑いのだが、ハイキングで行きかう人も多い。
アジサイの葉にオニヤンマが止まっている。近づいても微動だにしない。テー
マにはないのだが、せっかくなので、写真に撮ってみる。「死んでるんじゃない
・・・」あんまり動かないので、写真を撮ったあとで、捕まえようと手をかざす。
あと5センチ・・・というところで、パッと空中に舞う。「あっ、生きてたね」
あじさい園を過ぎて日陰の山道に入る。ここでは、ヤブランが多い。味気ない
名前の花だが、日陰に咲いているのが健気な感じがする。それも、あまりかたま
って咲いているのではなく、一本二本が所々に咲いている。
大原山の山頂には、ノカンゾウ、キキョウ、ヒルガオ、オミナエシなどが植え
られていて、きれいな花を咲かしている。自生のものではないのだが、目を楽し
ませてくれるのには違いはない。風もよく通り、昼寝でもすると気持いいかもね。
公園事務所で一休みした後は、枚岡公園まで一気に下りる。公園の「刷毛ブラ
シ顕彰碑」の前で休憩。セミ獲りの子連れが時折通りかかるくらいで、静かな公
園だ。着替えをしていると、飛んで来たセミがストーンと落ちてくる。家内が駆
け寄ってみると、もう、あまり動かない。いよいよ、夏も終わりか・・・
|