朝は７時に起きたのだが、そぼ降る雨を見てウジウジとテレビなんぞを見てい
て、やがて、お昼になってしまう。昼ご飯を食べていると、ようやく、雨もあが
ってくる。１３時１４分のバスで、いざ、出発。
バスを待っているとバス停前の床屋さんとガラス越しに目があって挨拶。散髪
の手を止めて外に出てくる。｢きょうはどちらへ？｣｢ええ、一寸生駒までアジサイ
を見に・・・そうそう、前に言ってはった鉄山、行きましたで・・・｣などと、二
言三言・・・。鉄山のシャクナゲを奨めてくれたのは、この方だ。
近鉄石切で電車を降り、歩きはじめると何組かの登山者が下りてくる。もう、
そんな時間なんだ。雲は低いが、まず降りそうにはない。くさかコースを登る。
道端の草が濡れているので、道幅の広い尾根道に入る。整備され過ぎた階段道が
続くので、日頃は好みではない。でも、濡れたくないので、今日は仕方が無い。
途中で腹具合がおかしくなり、ただでさえ蒸し暑く大汗をかいているところに、
油汗までかいて、ようやく遊歩道に到着。いつもは、ここで一服するところだが、
そのまま、進む。もう少し行けばトイレがある・・・(^_-) ところが、少し歩く
とホタルブクロの白い花を見つける。早速撮影モードへ。以前にも写真を撮って
いるので、なにか変化をつけないと・・・と頭では考えるのだが、なかなか巧く
いかないものだ。
写真を撮っていると、２０人くらいの団体が２パーティ程下りてくる。登って
いく人も多い。朝から小雨模様だったはずだが、アジサイを見に来た人は、結構
沢山いるようだ。雨にアジサイはよく映える。みんなそれを狙って来たのだろう。
歩いていると、ホタルブクロは、あちこちに、かなり沢山咲いている。色の白
いものが殆どだが、少しピンクかかったものもある。家内があれほど見たがって
いたのに、惜しいことをしたものだ・・・
「あじさい園」付近のアジサイも見事に咲き誇っていたが、人の手の加わった
ものなので、こちらは数カットだけ撮る。（植物の名前はカタカナで書いている
が、アジサイだけは「紫陽花」と書いた方が感じるものがありますね）
額田谷のコース出会いで遊歩道を離れ、縦走路までヤブ道を登る。途中、笹が
育っていて、下半身スブヌレとなる。少し雲行きが怪しくなってきたので、縦走
路を暗峠へ急ぐ。もう、行きかう人もない薄暗い竹藪の中の道だ。峠で縦走して
くる単独男性に出会う。軽く声を掛け合ったものの、今にも降り出しそうな雲に
追われるように、そそくさと別れる。
林の中をひと登りして、大原山山頂。誰もいない、頂上に植えられている野草
園を一回りして、公園事務所に向かう。霧のような雨が降りはじめ、傘を出す。
事務所で炭酸飲料を買って、一休み。腰を下ろして休憩するのは、今日初めて
だ。「写真撮って来はったん？」帰り支度をしていた事務所の人が声をかけてく
れる。「ええ、ホタルブクロを・・・」アジサイを撮りに来たと思ってはったよ
うだ。「ああ、ホタルブクロでっか・・・この近くにも、沢山ありまっしゃろ〜」
「この辺には、ヤマホタルブクロはないんでっかね〜」と尋ねてみる。「さあ〜、
それおんなじもんちゃいまっか・・・高い山にあるのがヤマホタルブクロちゃう
んかなあ・・・」「色の付いたのがヤマホタルブクロかと思ってたんですが、ち
ゃうんですかね〜」と言うと、「いやいや、あれは、一緒ですわ。色の付いたの
を持ってきて植えても、すぐ白くなりまんのや、この辺では・・・」
どうも、土壌の関係のようだ。アジサイも土壌の性質によって花の色が変わる
と聞いたことがある。この人、その後、図鑑を持ってきて、調べてくれた。図鑑
によるとホタルブクロとヤマホタルブクロにはガクのところに少し違いがあり、
別物と判る。
事務所の人と別れ、カメラや三脚をリュックに入れ、傘だけを手に持って下る。
道はそれ程悪くなっていない。傘もいらないほどの雨だ。ただ、時折、木の枝葉
に溜まった水が落ちてくるので、傘をさして下る。
枚岡公園で、木陰に腰掛け、着替えをする。汗が引くまで休憩し、駅へ向かう。
ホタルブクロの写真撮りに夢中になってからは、腹具合のことなど、すつかり忘
れてしまっていた。
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