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横井 渉さんの岐阜県・白川村 籾糠山(もみぬかやま=1,744m) 横井 渉さんへのお便りは (watazoki@pc.highway.ne.jp) へどうぞ

    登山メモ[通算97回目]2001/10/17(水)18(木)

 

【山域】岐阜県・白川村 籾糠山(もみぬかやま=1,744m

【樹木環境】ブナ、カツラ、ダケカンバ、オオシラビソ

【ひとこと】自然林がより自然のまま生かされた貴重な山

【天  候】台風のため朝方までガス立ちこめるが、徐々に回復

【同 者】寺崎、羽根、石川、南谷、加藤の各氏と横井

 行程                 

17日>家出発09:20→伏見09:4011:00道の駅「美並」11:30→ひるがの高原SA(昼食)→平瀬温泉「くろゆり荘」→どぶろく祭り「鳩ヶ谷八幡神社」→平瀬温泉「くろゆり荘」

18日>宿出発→09:05天生(あもう)峠09:20→天生湿原09:51→子平湿原との分岐(右回り)10:03→山頂まで0.7km標識11:28→山頂まで0.4km標識11:3912:05籾糠山頂12:50→子平湿原への分岐13:36→子平湿原へ0.5km14:02→子平湿原14:08→右回りとの出会い15:00→登山口15:39→途中、温泉で休み帰路(家に20:10

      雑感  ざっかん  雑観  

17日>小雨降る中、季節はずれの台風に押されるように家を出て伏見で加藤さんを拾い、道の駅「美並」に定刻に着く。寺崎グループ(羽根、石川、南谷)が軽装姿で軒先から出迎えてくれていた。雑談の中で、富田さんが欠席の話や今日の日程を大まかに決める。霧雨の東海北陸道を美並I.Cから入り、ひるがの高原SA(寺さん曰く「ここはSAでなく、PAだ」)で力うどんのようなものを食べたが、これが結構美味しかった。店には土産物の中に「飛騨牛こわい」なるものが売っていたのには一同大笑い。ヤマブドウの干したものを買う。

荘川I.Cを出て158号を経由して156号に戻り御母衣ロックフィルダムを右手に見ながら今日の宿、平瀬温泉「くろゆり荘」に到着。古ぼけた旅館と言うより“民宿”=南谷談=の2階の2部屋通しの間に、それぞれ荷物を入れお茶を飲みながらこれからの予定を話し合う。時間がまだ早いのでおみやげを(白雲堂)買いがてら鳩ヶ谷地区で行われている「どぶろく祭り」にいてみることに決定(誰かがはじめから仕組んでいたのかな)。

鳩ヶ谷までは、ほんの10分程度だが途中で車の事故(自損横転)のため30分ぐらい待たされる(でも、どぶろくが飲みたい人は動かない)。漸くして事故処理が済み世界遺産の白川郷・鳩ヶ谷にある土産物屋の駐車場に車を止めさせて貰い八幡神社に行くとちょうどテント張りの下で獅子舞が始まっていて、その後、杯を片手に並ぶように言われたが私たちは持っていないので、寺さんが早速、杯(350円)を購入してみんなに配ってくれた。地元のおばさんらが、どぶろく酒を注いで回ってくるので、私も一杯だけ貰った。どぶろくは酒を飲まない私には良く解らないが「酸っぱい」と感じた(酒飲みの皆さんはどうでしたか)。南谷ちゃんは羽根さんにまで注いでもらい最後はグロッキー気味。

宿に戻り、自慢?の露天風呂(必要なら鍵が掛かるので貸し切り出来ます)に入る。湯量もあり、温度も高いので埋めながら、上から落ちてくるイチイの赤い実を拾いながら今日、明日の団らんに花が咲く。夕食はさして珍しいものも、美味しいものもなく、大半の人が早々に床に着く

 

18日>昨日早く床に着いたせいか朝6時過ぎには皆さん起床。雨もほぼ上がりやや寒そうだが登れそうだ。朝飯前に屋内の温泉に入り目を醒ます。朝飯は新鮮な卵などもあり私は昨日の夕食よりも美味しかった。8時過ぎに宿を出発して天生峠にグングンと迫るにつれ紅葉がますます色づいてくる。車の中で「峠付近が一番見頃かも知れないな」などと言いながら軽快に全景紅葉の登山口駐車場(1,290m)に着く。天気は思ったほど上がってなく薄曇りだ。

雲低く小雨のぱらつく中を、それぞれがスパッツやカッパで身を包み出発する。赤や黄色に色づいたクロモジ、ナナカマド、ウルシ、ブナ、リョウブ、マルバノキ、ホウノキの景色を楽しみながら足を進める。「前回よりもちょっと紅葉には遅かったかな」と誰かが。立派な看板のある天生湿原(1,400m)に着いたら、早速、前回拾った場所でブナの実を羽根さんが探し始めている。ぬかるんだ湿原は木道を敷き詰めたりして、以前より整備がされている。道すがらお馴染みのミズナラや紅葉の中でも、ひときわ薄黄色が鮮やかなタカノツメの珍しい大木。

湿地帯から沢筋を下りながら平らな場所に出ると一際威厳を見せる葉を落としたカツラの巨木が並んでいる。前回もここで一息入れて感傷に耽っていたことを思い出す。紅葉はここまで来るともう時期を過ぎた感がする。それでも数少ない紅葉を捜しながら先に進む。子平(こひら)湿原との分岐の道を右にとる。道はやや勾配を高め、少しずつ息が荒くなるうちに、20センチ近い大きなナメクジに羽根さんが「触っちゃったよ!」と大声を出す。沢を何度となく渡り返しながら、ぬかるんだ道すがらには、時期を過ぎ頭を下げているユキザサらしき草が光り輝く大きな赤い実をたわわに付けている。

谷筋と分かれて尾根道が徐々に増す勾配に休憩を挟みながら、それでもタムシバやヒメモチらしき赤い実を見たり、倒木に並んで光っているナメコを目にしながら先に少しずつ進む。キツツキが開けたのか無数の穴の開いた巨木が。ブナ、ダケカンバが葉を落としガスの中で幻想的に見える。足元がどろどろにぬかるんで木の根がむき出しの急登になり、周りはオオシラビソの大木が並びだした。向こうが透けるように見えだして、漸くにして籾糠山頂(1,744m)に。

先に到着したメンバーはすでに昼飯にありついている。前回はガスもなく眺望が素晴らしかったんですが、今回はガスが次々に流れてきて全景は見渡せないが、それでも晴れ間が少し出てくるとガスとガスの切れ目から近くの紅葉した山々にダケカンバの白い木肌が眩しく光っている。山頂にはシャクナゲ(大きな花芽も)やアカミノイヌツゲ(赤い実を無数に)などがドウダンの中に見える。南谷ちゃんのみそ汁、コーヒーや寺さんのチーズ、ソーセージ、そして石川さんからは飴と次々に出されご馳走になる(いつも、すみませんね)。

恒例の記念写真を撮り終えて、ぬかるんだ急坂を恐る恐る滑り降る。上から見る景色も素晴らしく途中、改めてみんな揃って記念写真を撮りながらゆっくりと下がる。シラビソの大きな実を羽根さんが拾い上げる。分岐を今度は右に子平湿原を目指す。前回の「ここからの方がきついかも」とそんな言葉を思い出した。急登を喘ぎながらも周りの光景は素晴らしく綺麗に色づいている。

このコースにはツノハシバミが群生しているので、それを今回も見られるので楽しみだ。ここから右手後ろに先ほど登った籾糠山の山頂がガスの中に見え隠れしている。そして逆に山頂から見えていたダケカンバの群生地に入り込んできている(考えてみると面白いものだな)。前回と同様に「また、こんなに登るのか!」というほどの急登の連続だ。でも、周辺のツノハシバミの紅、カエデの赤、ダケカンバの黄、ブナのうこん色とそしてタカノツメ(こんなに大きくなるものなのか、という太いものが)の薄黄色などの紅葉は素晴らしさをドンドン増してきている。カメラのシャッターを連続で切りっぱなしの状態になりつつ、首をフクロウのように回して目で紅葉を追う。

そうこうしているうちに子平湿原に出る。ここは下の天生湿原に比べ奥に入っているせいか静かで、自然さがより鮮明に写る。でも、今はどちらも見るべき草木はなさそうだ。湿原を過ぎると落ち葉で濡れた急坂を足に全神経を集めて慎重に、慎重にそれでも目は晴れてきた光を受けて輝く紅葉についつい向いてしまう。登山口にある赤い屋根が見えるようになり、やっと足が緩んできた。帰りに平瀬の共同温泉に入ろうとしたが、生憎の休みで仕方なく、泊まった旅館で500円も払い体を休める。

(皆さんご苦労さんでした。そして、相変わらずのわがまま者で申し訳ありませんでした。後から、いつも反省してます)

 

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