登山メモ[通算78回目]1999/02/17(水)
【山域】静岡県・細江町 尉ガ峰(じょうがみね=423.9m)
【樹木環境】タブノキ、アラカシ、アセビなどの常緑照葉樹林
【ひとこと】温暖な住居環境が終の棲家に相応しい
【天候】4月中旬の穏やかな好天の1日
【同行者】寺崎、羽根、南谷、佐藤貴、不破(OB)の各氏と横井
行程
家出発08:00→JR熱田08:14(\1,280)→09:36新所原駅09:47(天竜浜名湖鉄道¥510)
→西気賀駅10:16→林道に出る11:00→見晴台(休憩所)12:05→12:25尉ガ峰13:15
→奥浜名自然歩道(中間点)2.5k地点14:10→夕陽台14:25→二三月峠14:41
→細江神社15:15→15:30気賀駅16:00(\790)→16:40豊橋駅16:47(\1,020)
雑感 ざっかん 雑観
空気はやや冷たいが快晴の天気に、出かける気分も晴れ晴れ。普通電車で8両
もあれば、楽に座れるかなと思いきや「ありゃー、結構混んでいるワ」と独り言。
車内では、学期末試験が近いのか「エイズとは日本語でなんと言う」に「先天性
……わかんないー」(保健衛生関係の学校かな)などと勉強する最近見たことが
ない学生風景に、一眠りしようかなという気持ちを思いとどまらせてしまった。
刈谷駅を過ぎた辺りから平穏な車内風景に戻り、目が静かな田園風景に向く、
しかし緑はまだ色に爽やかさがないようだ。暖かい車内に電車の扉が開くたびに
冷たい空気が入ってくる、やはり冬。豊橋近くでウトウトしていたら相変わらず
こまめな羽根さんが巡回にきて「不破さんがいないな。4人(たぶん寺崎、羽根、
南谷、佐藤貴のことだろうと察しはついたが)は後ろにいるよ」と不破さんを探
しに前の車両に向かう◆新所原駅に着き、天竜浜名湖鉄道に乗り換えに向かうと
「やはり不破さんは早めに来ていたようだ」。乗り込んだ三セクの電車はカラフ
ルで、こじんまりとした1両編成。そして不破さんは早速「寺さん、そこに郵便
局があるよ」(こんな事を見てくるようだと相当早く着いたんだろうナ=30分ぐ
らい早かったことが後で判明)。車内で暖かい天候にみんなそれぞれに厚着した
服を脱ぐ。温暖な気候の浜名湖を見ながら、トンネルを2つ過ぎたころ、喫茶店
が併設された(まだ開いていない)西気賀駅に到着◆歩き始める前に、寺さんが
アルファ米に熱湯を注ぐ(味のほうを聞くのを忘れたので、今度会ったら聞いて
みたい=翌日、少し食べた佐藤貴の話だと「結構うまいヨ」)。
浜名湖
駅を出て東に100mほど東に行ったところに尉ガ峰ハイキングコースの看板に
沿って左に向かう。みかんの産地らしくみかん畑が広がっているが、肝心のミカ
ンは今の時期、当然ない?。畑にはホトケノザが赤紫の花を、オオイヌノフグリ
が青紫の花をつけている。マンサクがあるという看板に足を山とは反対の方に向
ける。道端にマンサクがちらほらと咲いているが、群生地は見つからない。が、
そこから浜名湖が綺麗に見える「こんなところに住んでみたいな」と思わず呟い
てしまった。また、ほかにも南洋系の植物が畑に植栽されているのを見ていると、
偶然、軽トラックに見慣れない花を運ぶのを目にして不破さんが伺うと、車を止
めて家の作業小屋に案内して黄色い花が満開のアカシアを見せてくれた。「あり
がとうございました」と礼を言って全員が納得する。ミカン畑を進むとラジオを
聞きながら草取りする女性に出会う「皆さんに少しでも安全なミカンを食べてい
ただきたいので、除草剤を使わずに草を手で抜いています」。全くの別件だが、
所沢のダイオキシン問題で役所や産業廃棄物業者にクレームをつけずに、問題を
提起したテレビ局に文句を言う馬鹿な農民のモラルの低さに落胆している自分を
「まだまだ日本も捨てたもんじゃない」と元気付けられた◆
アカシア
クチナシ
先ほどから天空をトビが多く舞う中、もう一本の道路を横切り雑木林
の本来の山道に入っていく(この山は沢山の人が登るのか案内板が非常に多い)。
ヤマモモ、ネジキが赤い1年枝輝かせている(赤い色を指してヨメノヌリバシ
ともいう=不破さん言)、ヒサカキが黒い実をびっしり付けている。クチナシが
オレンジ色の実を2つ付けていたり、半落葉のヤマツツジなどが。大きなコブの
上で長さ20cmもある三本の針葉マツが見つかる(普通のマツ二本と五葉の間で
アイノマツというらしい。私も20年ぶりに見た=不破さん言)。
アイノマツ
ヒメシャラ
やはり、ありました直径20cm近いヒメシャラが1本。枝の枯れたキリの木が
あり、「その横にカラスザンショウがあるよ」と不破さん。誰かが「何でカラス
と言うのかな」と(たぶんカラスのくちばしのような刺だから=自信なし)。す
ぐ近くにヌルデ(ウルシの仲間で葉痕が馬蹄型=確認済み=なのはこの種のみ)
も。樹上の先端でホオジロかアカモズらしき鳥が綺麗な声で囀っている、見てい
る間どこにも行かず私たちに十分にその姿を見せてくれた「なかなかこれだけゆ
っくりとは見れないよ。先行した寺さんにも見せてやりたかったな」と羽根さん。
道路を横切り、丸太の階段を少し登ると「通称シシ落とし」といわれる岩の急斜
面になる。最初はイヌビワやヒトツバなど見ていたが、次第に張ってあるロープ
に掴まる余裕もないほどキツイ。一休みした横に斑模様のカゴノキが「まいった」。
喘いで着いた山頂には3組の登山者がすでに思い思いの弁当を広げて歓談中だ◆
貴のミカン、羽根さんの漬物、南谷さんのコーヒー、不破さんの饅頭と沢山のい
ただきもので満腹に。
イヌビワ
最後に記念写真を撮って細江神社方面の稜線(天気が良ければ富士山が見える)
に足を踏み出す。「時間が係るよ」と言う不破さんの意見に、ガイドブックに目
を通し「2時間もあれば行けそうだよ」と寺さん、羽根さん。こちら側(正式に
は奥浜名自然歩道)も照葉樹林が多い。ヤブニッケイ、タブノキを代表に結構あ
る。ムベ、ビナンカズラなども。ヒメシャラの群生が。クロモジの花芽がやや膨
らむ。コガラが歩道脇で群れている。二三月峠に来た時、残り時間を考えると3
時の電車には間に合わないようなので一休みする。南谷ちゃんが「最後の登りに
は参った!」と言うように単純に高度を下げるだけの稜線でなく、登り下りの連
続に思ったより時間が係った。登山口に近くなるとクロバイや根にない?タブノ
キ、ユーカリの一種(不破説)、テンダイウヤクと言った珍しい外来種も。細江
神社のクスノキは500年は立つ大木が数本。大きな葉に目が向いた(バクチノキ
でした)。気賀駅で30分時間待ちの雑談で過ごす。
watazoki@pc.highway.ne.jp
http://home3.highway.ne.jp/watazoki/
|