たずね花

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☆鳥居(y-torii@sra.co.jp)さんからのお便り

ホームページを楽しく拝見させていただきました。たずね花21はカタクリでまちが
いありません。白花個体は非常に珍しいものです。

私は東京在住なので主に奥多摩、高尾、奥武蔵、秩父の低山をフローラモードで徘
徊しています。94年の春に鈴鹿まで足をのばして御池岳に登ったことがあります。
このときはコグルミ谷から登って御池岳を経由し坂本谷に下ったのですがスプリン
グエフェメラル(フクジュソウ、セツブンソウ、カタクリのように早春に花を咲か
せて晩春には葉を落として休眠してしまう植物の総称で、束の間の春の妖精といっ
た意味です。春植物とも呼びます。)の種類と量に圧倒されました。特に坂本谷を
エフェメラルバレーと呼びたいと思います。また地理的には紀伊半島の付け根にあ
るにもかかわらず植生が日本海的なことも興味を引きました。これは鈴鹿山脈の北
に大きな山がないため冬の季節風がまともに鈴鹿北部にぶつかり積雪が多いためだ
と思います。

「藤原岳とセメント」の件で藤原岳は無くなってしまうのではないかと心配されて
いましたが、全山が石灰岩からなる秩父の武甲山では現実に山その物がなくなりつ
つあります。武甲山では藤原岳以上に大規模な石灰岩が採掘が行われ1300m以上あっ
た標高も50mほど低くなり山容がまったく変わってしまいました。これにともない
武甲山に特産のチチブイワザクラとミヤマスカシユリの自生地も壊滅してしまいま
した。ミヤマスカシユリは袋田の滝その他の新しい産地が確認されているようです
がチチブイワザクラの自生地は地球上から完全に消え去ってしまったわけです。セ
メントが人間が生活していく上で欠かせないものであるのは理解できますが、何か
やりきれない気持ちになります。かつて武甲山で出会った、さまざまな植物達の冥
福を祈りたいと思います。

おすすめ低山ハイク

4月13日に新潟県上越市の薬師山に行ってきました。薬師山は信越本線の直江津駅と
谷浜駅の間に横たわる標高200mほどの丘陵で一部がゴミの廃棄場になっていますが
日本海特有の単調ながら豪華な植生をたやすく堪能できます。とにかくカタクリ、
トキワイカリソウ(白花のみ)、オオイワカガミを、うんざりするほど見ることが
できます。その他に見られる植物はエンレイソウ、ショウジョウバカマ、ヒメニラ
、オウレン、アズマシロカネソウ、アズマイチゲ、キクザキイチゲ(主に白花)、
ニリンソウ、ミチノクエンゴサク、ツバキ(ユキバタツバキ?)、カスミザクラ、
タチツボスミレ(オオタチツボスミレ?)、ナガハシスミレ(紫花〜白花)、スミ
レサイシン等です。登山口となる虫生(むしゅう)には直江津駅からバスの便もあ
りますが本数はあまりありません。むしろ日本海を眺めながら歩くことをおすすめ
します。薬師山頂から谷浜駅に下る道でも時おり日本海が顔を除かせてくれます。


直江津駅(徒歩60分またはバス10分)虫生バス停(徒歩5分)登山口(徒歩90分)薬
師山頂(徒歩60分)谷浜駅

『低山徘徊派! (^^)v』及び『ML低徘』へのご意見、ご感想はあきゆき(akiyuki@teihai.com)までお願いします。(黒江彰之)
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