潔くエスケープ・八ケ岳「八ケ岳」

1999年 8月 5日 (木) 〜 6日 (金) 曇り時々小雨

TOP MENU
低山徘徊日記
山域INDEX
ルートマップ
LAST PAGE


 遠出が出来るのは年に一度。このチャンスに八ケ岳を楽しんで来ようと勇んで  出かけたのですが、山小屋に一泊して下りてきました ^_^;

 4日23時、京都駅前からアルピコバスに乗る。駅前は山へ出かける人ばかり でなく深夜バスに乗る若者のグループで賑やかだ。上高地や白馬へは大きなバス が来るのだが、蓼科方面は、やや大きめのマイクロバス。九州に帰るときの夜行 バスをイメージしていたが、トイレもないような小さなバスに驚いてしまう。大 型のバスに比べて、やや眠りにくい感じがするが、それでも、朝までぐっすり眠 る。

 予定通り、朝早くに美濃戸口に到着。お天気は悪い・・・どんよりとして、夜 半に降った雨がまだ乾いていない。以前に来たときより小屋も綺麗になっている ような感じだが、はっきり覚えている訳ではない。私達と同じバスに乗ってきた 人達の他にも10人の人達が準備中のようだ。私達も有料トイレで準備を整え、 さて、出発。美濃戸山荘へ向かう林道の入口でぐずぐずしていると、中年夫婦連 れが右手の別荘地の広い道を上がっていく。御小屋尾根のルートに向かうようだ。 私達も当初予定していた南沢のルートは以前登っているので、それを見て、こち らもそのコースを行くことに変更。

 別荘地の舗装道を真っ直ぐ行く。突当りを右に行き、緩やかな坂を上り詰めた ところで左に折れる。いずれの分岐にも道標がある。舗装もなくなって、やがて 山道に入る。リンドウやヤマホタルブクロの花の咲く山道はお天気が悪いせいも あって、強い陽射しに悩まされることも無く歩きやすい。2度ほど足慣らしをし ただけの新しい山靴も快調。パラパラと降る雨も時折酷くなってきたところで雨 具をつける。

 先を歩いていたご夫婦と前後しながら登っていく。別の尾根道と合流する御小 屋山を過ぎ、水場の案内標識を過ぎ、いよいよ、阿弥陀岳の登りにかかる。日頃 に比べて荷が重いせいもあって、ゆっくりしたペースで何度も小休止を取りなが ら歩く。左手前方に岩峰が見えてきて、急な登りにかかる。ハイマツの間のズル ズルした登りにくい道だ。ルートを間違えたのかと思い、右手のハイマツ帯に逃 げ込む。踏み跡があって右に大巻して登っていくと尾根筋に出る。先ほど間違え たかと思ったルートのところにはちゃんと分岐道標があって、道は間違ってはい なかったようだ。ただ、ルートの一部が壊れかけているのだろう。

 岩稜の踏み跡を辿り、摩利支天の鎖と梯子を下る。1枚岩の鎖は、有難いが、 急に現れた鎖に、家内は文句をいう暇もなかったようだ。そして、阿弥陀岳へ・ ・・途中、振り返ると摩利支天の灰色の岩塊が尖どく霧の中に浮かび上がる。

 阿弥陀岳上は広く、沢山の石積やお地蔵さんなどがある。賽の河原の雰囲気だ。 一面ガスに覆われ、展望皆無。強い風を避けて赤岳方面への下山路を下ったとこ ろで休憩。先着してした例のご夫婦は、下山路に確信が持てず一寸ウロウロして はったようだ。私のエアリアマップの拡大図を見るとルートは歴然。一応、その ご主人にも確認してもらう。

 しばらく休憩して下りにかかるが、南又は南東方向から吹き込む風は、かなり 厳しく、しばしば屈み込んで強い風を避ける。中岳のコルまでの下りに意外と時 間をかけることになる。下りると、7〜8人のグループが、ちょうど行者小屋方 面から上がって来た所のようだ。もちろん、阿弥陀岳をピストンするコースだが、 どうしようか迷っている様子。「阿弥陀に登ってきはったん?」と尋ねられて、 「ええ、でも私達は御小屋尾根を来ましたんで・・・」と答える。この方達は、 結局、阿弥陀へのピストンはパスされたようだ。私達は、そのまま中岳への登り に向かう。途中、一瞬だけガスが強風に吹き飛ばされ、阿弥陀岳の全容が目に入 る。あんな厳しい頂だったのか・・・

 中岳を越えると、瓦礫の広い尾根になる。殆ど先は見えない。やがて、ジグザ グの登りとなり、時折、強い風があるものの、もうこれが最後の登りかと思うと 元気も湧いてくる。文三郎ルートの分岐を過ぎると、赤岳本峰の影に入ったため か、酷い風は納まる。所々鎖のついた道を登る。キレット小屋への分岐から鎖の ついた岩場を登っていくと、やがて頂上。展望皆無。しばし、休憩後、頂上小屋 を経て、今日の宿泊地、赤岳展望荘に向かう。

 展望荘で宿泊手続きをする。振舞われたお茶が美味。ここはシャワーもあるの だが、寒くて浴びる気にならない。夕食のバイキングを楽しみに早々と休憩モー ドに入る。夕食のバイキングはわかさぎ(だしじゃこ?)のフライ、タラノメの 天婦羅、コンニャクやシイタケの煮付け、高野豆腐、小さな筍、マカロニサラダ 、豚汁などなど・・・なかなか結構でした。なお、朝食のバイキングはシャケの 塩焼き、生卵、ノリ、味噌汁・・・といった感じ・・・これまた、GOO。

 一晩中、風が強かったが、朝になってもあまり改善しない。朝食のあと、出発。 地蔵尾根分岐まで下って、「さて、どうしたものか・・・」と思案していると、 横岳方面から男性2人連れがやってくる。聞くと、風が強くて引き返してきたと のこと・・・こちらも、潔く下山することにする。地蔵尾根に入ると殆ど風は無 いのだが・・・下りてきた男性も「また登るか・・・」と冗談を言っていた。

 行者小屋辺りでは、少し雨が厳しくなる。コーヒーを飲んで、美濃戸口に向か う。暫くは平坦な道が続くが、やがて、傾斜もきつくなる。登ってくる人も多く、 すれ違いの挨拶を交わしながら下る。随分下って、最初の堰堤を過ぎると程なく 美濃戸山荘に到着。昨日からのルートのなか、ヤマオダマキコマクサ・ソバナ ・マツムシソウコバギボウシ・ウスユキソウなどを見かけるが、おいおい写真 もとれない状態。


 山荘で一休みしてミルクを飲む。家内と話をしていた小屋のお兄ちゃん「長い 御小屋尾根をよく歩きましたねぇ〜」と誉めてくれる。そうさな・・・計画はシ ョートカットしてしまったけど、まあ、満足すべきか・・・ 所用で美濃戸口ま でトラックで下るので乗せてくれるとお兄ちゃんに勧められたが、最後の歩きを 楽しみながら、美濃戸口へ・・・11時14分のバスで茅野へ出る。駅前の案内 所で蓼科温泉の宿を予約、14時30分、蓼科湖湖畔の宿に入る。


1999年 8月 5日(木)〜 6日(金)  (メンバー) 芳子

1999年 8月 5日(木)曇り時々小雨

         5:15-  5:45           美濃戸口                                   
         6:15                  別荘地奥                                   
         7:25         2136.7m  御小屋山                                   
         8:30         2296.0m  水場近く                                   
        11:00- 11:20  2805.0m  阿弥陀岳                                    
        11:50                  コル                                      
        12:15                  中岳                                      
        12:50- 13:00           文三郎分岐                                  
        13:30- 13:45  2899.2m  赤岳                                      
        13:50                  赤岳山頂小屋                                
        14:15                  赤岳展望荘(泊)                            

1999年 8月 6日(金)曇り時々小雨

         6:50                  赤岳展望荘                                  
         6:55                  地蔵尾根分岐                                
         7:45-  8:25  2400.0m  行者小屋                                    
         9:55- 10:10  1800.0m  美濃戸山荘                                  
        10:55- 11:14           美濃戸口                                   

『低山徘徊派! (^^)v』及び『ML低徘』へのご意見、ご感想はあきゆき(akiyuki@teihai.com)までお願いします。(黒江彰之)
サイン