Wonderful Mountain Wandering

風爽やか竜王山・綿向山「鈴鹿」


1998年 5月 31日(日曜日)
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低山徘徊日記
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 綿向山・・・というと鈴鹿の山で、やたら遠いという印象でしたが、信楽から
 R307を通って行ってみると、割と近くでした。31日は全国的に好天に恵
 まれ、各地で山歩きを楽しまれた方も多かったと思いますが、私達も梅雨前の
 一日を、目一杯、楽しむことができました。


 5時半起床。予定の6時より数分遅れて、車で出発。少し焦っていたせいか、
早朝にも関らず、やたら赤信号に引っ掛かる・・・のが気になる。でも、この傾
向が幸いして、登山口へ入る「北畑口」の交差点でも、偶然赤信号で止まったお
かげで、気がつく。急遽左折して、だだっ広い舗装道路を進んでいくと「綿向山
登山口」のバス停。右手に綿向山や竜王山への方向を示す道標も見える。右手に
折れて、小さな祠の前に失礼して車をとめさせていただく。

 少し早すぎたようだ。かねちゃんの到着を待つ。そんなところに、1台の車が
やってくる。ご夫婦の登山者だったが、「雨乞岳へ行く予定だったが、武平峠へ
の道が通行止めになっているので、ここから登る」という・・・片道6〜7時間
とかいうことで「かなりハードな行程ですね」なんて話しをする。彼等は、先に
綿向山方面へ出発して行ったが、私達が下山してきた時、既に車がなかったので、
きっと予定を変更したのだろう。雨乞岳への縦走路はかなりのブッシュ道なので、
迂闊に踏み込まない方がいいようだ。下山してきた綿向山の登山口にも、そうい
う注意書きがあった。

 そうこうしていると、かねちゃん到着。まず、俊一くんが乗っているかを確か
める。「うん、乗ってる、乗ってる、偉いぞ・・・ちゃんと朝起きれたようだ・
・・(^^)v 」

 それぞれ身仕度を整え、広い舗装道路を西明寺の方へ向かう。今日は竜王山→
綿向山と回遊するコースだ。おっ、早速にホタルブクロの花を見つける。道端に
一ヶ所だけ咲いている。一応、デジタルカメラで撮っておく。西明寺までは広い
道が続いている。寺前の公園にはトイレもある。

 寺前を右に折れると、道は少し細くなる。水車小屋のある小さな公園を過ぎる
と、林道になる。林道を暫く登る。登山者を乗せた車が何台か通り過ぎていく。
立ち止まって、かねちゃんの出すエアリアマップを見ながら「登山口はまだかな
あ」「もう、そろそろでしょうねぇ」などと話して歩きはじめる。と、カーブを
曲がると、なあ〜んだ、すぐに登山口。入り口は少し茂っているが、道標もある。
取り敢えず、私が先頭で登りはじめる。

 登山道に入ってしまうと、すぐに杉木立の間のジグザグ登りとなり、しっかり
した踏み跡が続いている。急登ではあるが歩きやすい道だ。植林帯を過ぎ、雑木
の枝尾根の上に出ると、もう、行く手の空が開け、頂上が近いことを思わせる。
かなりシンドイ登りが続き、ちょっと一休みしたい誘惑にかられるが、「まだ、
30分も歩いてないしなぁ・・・」と頑張る。最後に、階段道をフウフウ言って
登ると、意外にあっさり竜王山頂上に飛び出す。後から上がってきたかねちゃん
や家内の話しでは、登る途中、ヤマヒルを見掛けたそうで、休憩なんかしなくて
丁度よかったようだ。

 頂上はさしたる展望もないが、割とひんやりした爽やかな風が吹きぬけ、暑さ
を和らげてくれ、居心地がいい。朝が早かった俊一くんは、早速におにぎりを頬
張ったりして、しばし休憩。取り敢えず、記念写真を撮って、先へ進む。これか
ら向かう綿向山は、まだまだ遠い。左手から回りこむように尾根が続いている。

 ここからは、かねちゃんを先頭に俊一くん・私・芳子の順に進む。もっと、ヤ
ブ道かと思っていたが、かなり踏まれているようで、ほとんど問題なく進める。
あまりアップダウンもなく鉄塔ピークに出る。鉄塔の下は芝生のようになってい
る。西明寺川の谷を挟んで、綿向山が行く手の右奥に聳える。さほどの高度差は
なさそうだが、かなりアップダウンの道のりのようだ。谷底には「奥の平」への
林道の伸びているのが望め、歩いている登山者も見え隠れしていたようだ。

 暫し展望を楽しみ、次のピークへ向かう。鬱蒼とした木立に強い陽射しを避け
ることができ、とても歩きやすい。適当にマイペースで歩く。2段ほどの急な登
りを経て鉄塔ピークから見えていた次のピークへ・・・右手に少し下って、林道
への分岐を通過。ヤマボウシの白い花に夏を実感。さらに下って少し登りかえす
と展望のいい岩稜の小ピーク。ここで、一息いれる。この前後は、痩せ尾根が続
き、ちょっと気を引き締める。行く手を見ると「ようやく綿向山の取っ掛かりに
きたなぁ・・・」という感じ。後はもう登るだけだ。

 少し下って次のピークを目指す。しんどい登りを、なんとかクリアして、最後
の登りへ・・・ところが、かねちゃんと俊一くんは悠々としたもので、先ほどか
ら、途中ずっと「しりとり」や「駄洒落ゲーム?」などをしながら歩いている。
それを聞いていると、余裕のないこちらまで、つい吹き出してしまったりする。
おかげで、随分、元気を出させてもらった。

 縦走路の直下で、家内がギンリョウソウを見つける。まだ写真に撮ったことの
ない花だったので、少し戻って勝手に撮影モードに  (^_-)   しばしの休憩とな
る。写真を撮っていると、かなりの人数のグループが下山してくる。頂上は結構
賑やかなようだ。写真を撮り終えて登りはじめると、また、別のグループが下り
てくる。登り優先ということで、道を譲ってくれるのだが、仕方なく頑張って登
る  (^_-)   ようやく縦走路。右手に綿向山の山頂が近い。

 一休みして縦走路の様子を見ると、雨乞岳へ続く北への道はササが厳しそうで、
あまり使われていないようだ。少なくとも一般的ではなさそう。そのササ道の先
には雨乞岳、その右手の鎌ケ岳など鈴鹿主稜の展望が広がる。反対の綿向山へは
穏やかな、いい道が続いている。その道を少し下り、緩やかな坂を登りかえすと
ほどなく綿向山の頂上に到着。

 20人くらいの人が休憩中。先程、すれ違った人達を勘定にいれると、随分沢
山の人出だ。かなり人気の山なんだなあ・・・  考えてみると、R477から鈴
鹿方面を見ると、すぐ近くの極めて身近な山であることが判る。宗教的な意味合
いを含めて、地元に密着した山のようだ。

 山頂中央にはタイムカプセルを埋めた・・・という些か無粋なケルンがあって
一寸気に入らないが、東から南に広がる鈴鹿主稜の峰々が一望出来て、登頂の感
激もひとしおだ。山頂の中央に立つ祠の裏に、わずかな日陰を求めて腰を下ろし
て大休止にする。

 東側正面には、一昨年の同じ時期に訪れた雨乞岳が迫力を持って迫る。あの時
は、今年のように夏が早くなかったせいか、イワカガミやハルリンドウの小さな
花が迎えてくれた。その奥右手の白い岩のとんがりは鎌ケ岳だ。さらに、水沢岳
・宮指路岳・仙ケ岳の双耳峰と続く。宮指路岳手前の無線中継塔の点滅がよく目
立つ。その右奥の遠くには野登山のアンテナも見える。

  その鈴鹿主稜の宮指路岳には、芳村さんが登っておられるはずだ。「カメラに
納めた展望写真、帰って引き伸ばしたら写ってるかもしれないねぇ」などと冗談
口をたたいたりする。

 俊一くんはというと、碁石ほどの小さな石で「おとうさんの顔を描いたよぅ」
と呼びにくる。行ってみてみると、見事な置き石の絵が・・・流石に絵の好きな
かねちゃんの子だ。なかなかセンスがある。

 お昼の弁当を食べながら、梅雨入り前の穏やかな山の日を満喫。いつまでも居
たい気持ちを振り切って下山にかかる。西側の階段道を下る。今度は俊一くんを
先頭だ。かなりの段数を下って、水平道に下り立つ。綿向山への途中にすれ違っ
た人が話してくれたのだが、「登りは最後の階段だけで、後は平地を歩いている
みたいだった」・・・というのは、本当のようだ。緩い坂のジグザグの下りが続
く。急坂をドドッと下ると、すぐのような気がするが、なかなか下りてくれない
のだ (^_-)  

 その代わり、みんなで花を探しながら、のんびりと下る。フタリシズカが咲い
ている。これも初めて写真に撮る花だ。再びギンリョウソウを見つける。綿向山
の登りに見たのより形がいい。バアソブのような不思議な花(だずね花コーナーハンショウズルと判明)を見つけるが、これは要調査。マムシグサのような花
も咲いている。ヒトツバテンナンショウかもしれない。またチゴユリやササユリ
の蕾もあって、これからが楽しみな感じだ。

 行者堂で一休み。5合目の分岐では避難小屋の前を通って西明寺へ下るコース
をとる。しばらく行くと一旦林道に出る。その未舗装の林道を右に数十メートル
下ると、道標があって、登山道は左手へ下っている。その入り口に、美味しそう
なキイチゴが沢山なっていたので、少し口にしてみる。甘酸っぱい懐かしい味を
楽しんで出発。またまた、緩やかなジグザグの下りが始まる。「どうして、ここ
の登山道はこんなに緩やかなんだろう???」確かに、登りも下りも楽ではある
が、やたら時間がかかる ^^;

 それでも、なんとか登山口に下りてくる。水無山への登山口にもなっており、
分岐道標がある。その道標の前の小さい沢に下りて、しばし休憩。タオルを濡ら
して汗を拭う。しばらく休んで歩き始めるとすぐに林道終点。あとは、テクテク
と歩く。途中、天然記念物の「接触変質地帯」の観察しながら下っていく。右手
に大きな堰堤が現れる。この堰堤の下を右手に下れば良かったのだが、気が付か
ず行きすぎてしまう。しばらく行って、「おかしいなあ・・・川から離れちゃっ
たよぅ」ということになり、堰堤まで舞い戻る。ザレた坂をズルズルと下りて、
川沿いに下る。やがて現れる右手の橋を渡り、まっすぐ歩いて行くと、やがて、
朝に車をデポした場所へ戻ってくる。


 結構遅くなってしまったが、充実した一日だった。「一日、よく遊んだもので
すなあ・・・」かねちゃんも同じ気持ちのようだ。素早く帰り支度をして帰途に
つく。


  俊一くんも頑張って歩きました。かねちゃん、お疲れ様でした。また、お願い
  しますね。

 1998年  5月  31日(日曜日)  晴     (メンバー)かねちゃん・俊一くん・芳子

         7:40-  8:10           車デポ地                                    
         9:00                  登山口                                      
         9:30-  9:45   826.0m  竜王山                                      
        10:00                  鉄塔                                        
        10:10                  奥の平への分岐                              
        10:35- 10:45           途中の展望岩                                
        10:55                  峠(奥の平への分岐)                        
        11:55- 13:05  1110.0m  綿向山                                      
        13:45- 13:55           行者堂                                      
        15:10- 15:25           水無コース分岐(林道終点)                    
        16:05                  車デポ地                                    

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