霧氷の尾根歩き、黒石山・天狗山「台高」

1996年 12月 08日(日曜日)

TOP MENU
低山徘徊日記
山域INDEX
LAST PAGE
ルートマップ


  黒石山・天狗山「台高」といったって、ピンとくる人は、あまりいないでしょ
  うね。高見山の東北に連なる尾根にある 1000m足らずのピークに過ぎません。
  今年は寒くなるのが早いようで、一足早く霧氷の尾根歩きを楽しんできました。

  さほど、寒くはないが、今日からは一応冬山の装備で出かけた・・・つもりだ
ったが・・・    6時出発。まだ薄暗い。入山地の桃俣(モモノマタ)へは、R165
で榛原へ、R369に入り掛で右折、桃俣バス停で右折、桃俣川に沿って走る。
桃俣橋の近くに駐車。身仕度を整える。

  左の古い橋を渡ると下山予定の高角(タカスミ)神社。高見山方面を示す案内表示が
ある。差杉(サイスギ)峠へ道は、西杉(サイスギ)川に沿って上がる広い林道と右手の細
い林道とがあるが、エアリアマップで確認し、右手の道をとることにする。

  道路は舗装されていて、この辺り、まだ、ところどころに農家や畑があったり
する。西杉川を挟んで広い林道と並んで登っていく。割と強い風があり、もう真
冬の様相だ。目指す差杉峠あたりの山は、白くどんよりとした雲に覆われている。
山は雪で随分白くなっている。急ぎ足で歩いていないと、寒い。

  1ヶ所、林道分岐があるが、左の橋を渡る。その後、沢を渡るところで、峠へ
登る山道の取付きがあったはずだが、見落としてしまい、林道の終点に至る。ネ
ットを張ったゲートがあり、針金を外して中に入る。すぐに出口があって、そこ
も同じようにネットの扉がある。出た所に左手から上がってくる踏跡がある。右
に折れて、その踏跡に入る。右手に植林の作業小屋がある。その前で道は途切れ
る。若干の積雪があって踏み跡も定かではない。

  ルートを間違えたことに気が付くが、尾根筋は近そうなので、植林の間を直登。
すぐに右手にネットが現れる。この付近、ササも多く、積もった雪がスボンに凍
り付いてくる。休憩がてら、雨具のズボンを穿く。ネットに沿って踏跡らしい道
がある。途中、腐りかけた木橋があったりしたので、一応ちゃんとした踏跡なん
だろうと安心する。ネットに沿って登っていくと、なんとか尾根道に飛び出す。

  一応、コンパスで方向を確認しておく。右に下ると差杉峠だと思われる。ガイ
ドブックにあった役ノ行者像にも未練があったが、下りるのももったいないので、
今回はパス。左へ尾根道を登る。少し行ったところが高山か・・・踏跡から少し
左の小高い所に登ってみるが、それらしい山名板などは見当たらない。

  尾根道には所々に腰くらいまでのササ、ところによっては背丈を越すササがあ
ってそれに雪が付いている。また、葉の落ちた潅木には霧氷状態。時折、強い風。
下着やウエアは良かったのだが、特に手袋を持ってなかったのがチトお粗末。携
帯していても、あまり手袋を使うことはないので、つい油断があった。時折、ス
ボンの下に手を置いて歩く。もう、身体に降りかかる雪はお構いなし・・・(^_-)

  ひょこっと小高い所に出たと思ったら、黒石山の山名板がぶら下がっている。
意外に早い感じで驚く。一服する。さて先へ行こうとすると、尾根道は左にカー
ブしている。コンパスで確かめると東を向いている・・・こりゃおかしい・・・
もう一度、頂上付近を確認すると、南へ下っている踏跡がある。こちらの方が細
い踏跡で、雪のせいもあって判りにくいが、少し行くとテープもあって確信を持
つ。南に聳えるのは高見山だろうか・・・山頂付近は雲に覆われて定かではない。
雪の白と黒い山肌・・・なかなかの雰囲気だ。

  一旦大きく下る。倒木などで踏跡が不鮮明になるところが数箇所。このあたり、
一寸歩き難い。しかし、兎か鹿だろうか・・・小動物の足跡が、ずっと先導して
くれる。2〜3度のアップダウンを経て、一寸疲れたな・・・と思うあたり、東
側展望のよい露岩の上に出る。地図を見て天狗岩とアタリをつける。そうだとす
ると、南側に迫るように聳えるのが目指す天狗山。その奥はよく見えないが高見
山に連なる峰々か・・・

  この天狗岩からの下りが、今回、唯一のスリリングなポイント。岩登りに近い
急な岩場を下る。岩に雪がついていて、なかなかスリルのある下りだ。手がかじ
かんで感覚がなくなってきていたので、余計にヤバイ。短い間だが木の根を掴ん
だりしながら下りねばならないので、スボンの中に手を入れて暖をとる。

  ようやく通常の尾根道に降り立ってホッと一息。そこからは、比較的緩やかな
下りが続くが、ササに積もった雪は相変わらずで、雪まみれになって歩く。いよ
いよ、天狗山への登りにかかる。さほど急ではない。時折、日が射したりして幾
分暖かくなる。
  最後にササをかき分けて、天狗山頂上。木立の中の狭い頂上で展望はない。小
さな山名板が幾つかぶら下がっている。木の根元に雪を被ったブロックがある。
雪を払い除けてみると、大きい字で「天狗山」と書いてある。

  さて、高角神社への下山路は・・・というと、無い・・・エアリアマップを広
げて見るが、ここから東の尾根に道があるはずなんだが・・・無理矢理、東の林
に踏み込んでみると、少し離れたところに赤いテープが見える。「うん、やっぱ
り、これだな・・・」と下山にかかる。やがて、明確な踏跡に出る。はっきりし
ないが、どうも、山頂から少し南へ下ったところに正式の分岐があるような感じ
だ・・・

  急な下りだが、所々に「ハイキングコース」と書いた赤い張り紙があったりし
て、もう、迷う心配はなさそう。途中、前面に兜・鎧がくっきりと望める。陽射
し浴びて輝いている。一頻り下り、傾斜が緩やかになったところで、左前方に先
程通った天狗岩と思しき岩峰が見える。さらに、ひたすら下って、高角神社鳥居
の横手に出る。今日の無事を感謝して参拝。

  ふと見ると、下の石段に若い男性が1人。「高見山からですか?」声を掛ける
と「いえ、今から登るんです・・・」  内心「エエッ・・・ 」と驚いたものの、
ここから高見山までは2時間半・・・「3時頃には着くでしょう・・・ 」と、
いたってのんき  (^_-)   名古屋の方で、単独が多いそうだ。「お気を付けて・
・・」と別れる。ここには、トイレもある。折角なので利用させてもらってから
出発。林道を歩く。途中には立派な別荘風のログハウスといった感じの建物もあ
る。これも村興しだろうか。

  40分ほどあるいて、車をデポした桃俣橋へ到着。

1996年 12月 08日(日曜日) 曇り (メンバー) 単独

         7:35-  7:50           桃俣(モモノマタ)橋                   
         9:00                  尾根道                        
         9:10          923.0m  高山                          
         9:20-  9:30   915.4m  黒石山                        
        10:10                  大天狗岩                      
        10:40- 10:50   993.0m  天狗山                        
    11:20- 11:30           高角(タカスミ)神社                              
        12:15                  桃俣橋                        

『低山徘徊派! (^^)v』及び『ML低徘』へのご意見、ご感想はあきゆき(akiyuki@teihai.com)までお願いします。(黒江彰之)
サイン