雨中笹薮漕の鈴北岳・鈴ケ岳「鈴鹿」

1995年 4月 22日(土曜日)

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低山徘徊日記
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 朝5時起床。6時前に車で出発。名阪国道から東名阪に入り、四日市で高速を下
り、R306のコグルミ谷登山口を目指す。途中、藤原町辺りで道が判らなくなり
ウロウロ。ようやく、R306を見付けだす。山間部に入ると立派な道になる。小
さな赤い橋を渡り、少し行くとコグルミ谷登山口に到着。登山口には大きな看板も
あり、注意して運転しているとすぐ判る。
 車一台をとめるスペースがあったのでそこに駐車。身仕度を始める。小雨がパラ
ついているが気温は低くない。

 登山届のポストの横から入山。すぐに左岸から右岸に渡り、また左岸に渡り返す。
10分程行くと、タテ谷から鈴北岳へ向かう分岐が右手にある。直進するコグルミ
谷からのルートに比べると、荒れた感じの道だが、そちらに向かう。踏み跡はしっ
かりしていて、涸れた沢の中を歩いたりする時以外は、あまり気を使わなくてすむ。
 急な斜面をジグザグに登って隣のタテ谷に入るのだが、この辺りにはバイケイソ
ウの燃えるような緑が一面に広がっている。タテ谷に入ってからは、岩も殆どなく
傾斜も緩やかな谷が続く。所々、小さな池があったりする苔蒸したような谷だ。
 この谷をまっすぐ詰めて行けば良かったのだろうが、踏み跡が不鮮明になったこ
ともあって、谷が二つに別れた所で迷ってしまう。いや、迷うというより、敢えて
細く怪しい踏み跡を離れて右手の斜面に取付いた・・・という感じだ。後から地図
を見てみると、南西へ行かねばならないところを、西へ向かってしまったようだ。
西の斜面をよじ登り、最後には笹薮を漕いで、鞍掛峠から鈴北岳へ向かう尾根道の
1056のピークへ出る。結果から考えると、あの細い踏み跡を辿っていれば、そ
れが正しいルートだったのだろう。
 周りのピークがガスで全然見えなかったので、初めは、これが鈴北岳かと思って
しまったが、山名板も無いし、ここではなさそう・・・コンパスで方向を確かめて、
改めて鈴北岳を目指す。手強い笹が縦走路に倒れ掛かっていて薮漕ぎ同然。山頂直
下に左手から上がってくる踏み跡があり、ここに道標もあって位置が確認できた。
ようやく山頂に到着。

 深いガスに包まれ展望は無い。少し休憩して鈴ケ岳へ向かう。西へ緩やかに下っ
ていくと、丼に大盛りに飯をもったような感じの鈴ケ岳が右手に見えてくる。右に
折れるように曲がり、その山を目指して急な坂を下りる。
 雨で滑り易くなっている。福寿草の群生が美しい。尾根伝いの道があったのかも
知れないが、一寸下り過ぎじゃないかと思うくらい下りる。鈴ケ岳へ連なる尾根の
最低鞍部より下まで来たところで、鈴ケ岳への分岐道標に出会う。
道標に従って、えぐれて溝のようになった沢道を登る。かなり急で、雨の為ズルズ
ル滑る。ここでも、笹が倒れ掛かって道を塞いでいて歩き難い。一登りしたところ
で、鞍部に出る。右に転じ、急な斜面をジクザグに登る。名前は知らないが、紫や
黄色の小さな花が多い。

 最後に、少し笹を押し分けるようにして頂上に到着。頂上では「伊勢一貫堂」の
黄色い札が目についた。簡単に昼食を済ませ、下山に掛かる。当初、鈴北岳へ戻っ
て、鞍掛峠まで尾根道を行くつもりだったが、往路に辿った尾根の笹薮道は、冬季
の雪の為倒れて道を塞いでいたり、雨に濡れていて、あまり好きになれそうになか
ったので、御池谷を下りて、鞍掛トンネルの上を越えることにする。
 先程の分岐まで戻り、御池谷の下りに入るが、幅の広い谷は却ってルートを取り
難く、テープを見失わないように慎重に下りる。まあ、何処を歩いてもそんなに危
険はないようだが・・・上部では日陰の窪みに、未だ少し雪が残っている。濡れた
岩で、何度も滑りそうになる。大分下りたところで、大きな堰堤に出てくる。そこ
からは左岸の立派な登山道を行く。
 谷の流れも深く大きくなり、やがて、林道風の広い道になる。右手からの伊勢谷
と合流する手前で、車止めの土盛りがしてあり、登山口の道標がある。

 右手の御池谷に掛かるボロい橋を渡り、林道を少し行く。すぐに右手に赤いリボ
ンのある登り口があったので、登ってみると送電鉄塔へ至る。道はまだ続いている
ようで、恐らく鞍掛峠と鈴北岳とを結ぶ尾根道に通じているのではないかと思った
が、地図の道ではないので引返す。ここは登らないほうがいい。随分消耗してしま
った。ただ、この鉄塔辺りからの眼下の展望はなかなかだ。伊勢谷を挟んで北側の
対岸にはR306の道が、丁度同じ位の高さに見える。

 元にもどり、伊勢谷に沿って林道を登っていくと、右手に「鞍掛峠」への案内板
がある。ここから、急なジグザグの登りで沢を離れ、杉の植林の間の登りとなる。
一つ目の送電鉄塔まで来ると、登りは、ほぼ終わりだ。北側対岸の山腹のR306
と同じ程の高さに登ってきている。もう、R306がトンネルに入るくらいの高さ
のようだ。あとはやや緩やかな坂道を登り詰める。右手に直登するルートがあるよ
うで、赤いテープが巻いてあるが、薮っぽい。左手へトラバース気味に緩い傾斜の
道を進む。少し行くと、大きな白い道標があり、3つ目の鉄塔を過ぎると直に鞍掛
峠だ。

 尾根に通っている縦走路は、想像していたような笹薮の道ではない。この高度だ
と、きれいなしっかりした踏み跡が続いているようだ。峠で一休みして、当然、来
たのとは反対側へ下る。こちら側は、ガスって展望はないものの、東南に面してい
るためか、草花も多い。小さな花の群生を楽しみながら、急な斜面をジグザグに下
りる。途中「送電線があるので、この辺りでは発砲しないように・・・」等という
ハンター向けの物騒な看板があったりして驚く。雨は、やや小降りになって、少し
明るくなってくる。意外に早く、眼下のガスの底からR306が浮かぶように見え
てくる。
 下りて来たトンネルの前には、駐車場もある。ここに駐車して、手軽に峠までの
草花を楽しんだりも出来るようだ。トンネルの前からR306をテクテクと下って、
車をとめたコグルミ谷に戻り着く。

 カメラは持って歩いたものの、カメラが雨に濡れるのが気になって、ザックから
取出す余裕がなかった。明日の藤原岳で撮ればいいや・・・と思って、一枚も撮ら
なかった・・・(^^; 別のカメラで記念になるポイント等を数枚写すが、ひょっと
したら、こちらの方が凝ったカメラで写すより正解かも・・・(^_-)

1995年 4月 22日(土曜日) 小雨 (メンバー)単独

        08:50          500.0m  コグルミ谷登山口                                
        10:30- 10:50  1182.0m  鈴北岳                                          
        11:30- 12:00  1130.0m  鈴ケ岳                                          
        12:50- 13:00   471.0m  御池谷登山口                                    
        13:50                  鞍掛峠取付                                    
        14:30- 14:45   791.0m  鞍掛峠                                          
        14:55                  鞍掛トンネル東口                                
        15:20          500.0m  コグルミ谷登山口                                

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