人生の秋を感じる白滝山山行

1995年 10月 15日(日曜日)

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低山徘徊日記
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 日曜としては、久しぶりの好天に恵まれ、こまくささん・PLUTOさんと比良山系
中部に位置する白滝山へ行ってきました。予定を少し変更して、JR湖西線志賀駅
→クロトノハゲ→木戸峠→白滝山→長池周遊→夫婦滝→牛コバ→坊村 と歩いてき
ました。紅葉にはチト早く、ほんのり色づき始めた程度でした。クロトノハゲから
木戸峠・夫婦滝付近はハイカーで賑わっていましたが、他は静かな山でした。

 JR湖西線の電車は、比良の山や琵琶湖で遊ぼうとする行楽客を満載して走る。
いつもの日曜日の光景だ。しかし、志賀駅で下りる人は極僅か。静かな山歩きを楽
しめそうだ。

 駅のベンチに腰をかけて、こまくささんとPLUTOさんの到着を待つ。彼等は、一
本後の、大坂からの直通電車で来るはずだ・・・頭の上で電車の到着した音がして、
何人かの客が下りてくる。

 「あっ、きたきた・・・」初めにこまくささんが現われ、つづしてPLUTOさんも
下りてくる。結局、今日のメンバーはこの3人のようだ。

 志賀駅から山手に歩いていく田んぼの縁には、咲き終わった彼岸花が、茶色に枯
れて沢山ある。シーズンには見事なもんだろう・・・それを見ていると、どこから
か親切なオッチャンが現れ、「これが彼岸花の球根だよ〜」と、石垣の隙間から、
沢山芽をふいている球根を指し示す。持って帰りなさい・・・と言わんばかり。我
家の裏庭に白い彼岸花が咲いていたのだが、赤いのが欲しいと思っていたところだ。
念願の彼岸花の球根を、少し頂いていくことにする。

 湖西道路をくぐると、いよいよ山道に入って来た・・・という感じがする。3年
ほど前に一度同じ道を通っているのだが、大分様相が違う。以前の時とは違う道に
入ったのか・・・と思ったりしながら歩いていると、大きな堰堤に出てくる。3年
前には工事中であった、あの堰堤だと思う。工事が終わって様子が変わってしまっ
たのだろう。

 踏み跡はしっかりしていて、所々には道標もある立派な道だ。ジグザグの道を登
っていると、以前の記憶も蘇ってくる。たしか、長く単調なジグザグの登りだった。
途中の天狗杉で小休止。一息ついてさらに登る。暫く同じ様な単調な登りが続くが、
少しずつ、行く手の空が広がってきて、稜線の近いことを伺わせる。尾根に出ると、
すぐにクロトノハゲだ。

 見晴らしの良い岩の上に腰をおろし、涼風を楽しみながら眼下の紅葉を見晴らす。
残念ながら、まだ、これから・・・という感じだ。少し休憩の間に、おにぎりを一
個パクつく。登りの道では、下山してくる数人とすれ違っただけだったが、どこか
ら来るのか、この付近は人が多い。

 木戸峠から夫婦滝へ向かう人も多かった。夫婦滝へは谷を少し下ることになる。
滝のすぐ手間から白滝山への登道が分岐している。小沢に沿った道を登り、山頂南
の鞍部に出たところが音羽池、右折して10分程で、ようやく白滝山の山頂だ。

 白滝山の頂上は静かで風が心地好く、つくづく山歩きが出来る幸せを感じる。残
念ながら展望はない。先客はなく、各自シートを広げて昼食となる。そうこうして
いると、迷子の犬が寄ってきて、こまくささんのおにぎりやPLUTOさんのピンチ食の
ビスケットをせしめて行く。シベリアンハスキーという犬らしい。全然吠えないお
となしい犬で、野生のバイタリティは無さそうで。早く飼い主が探し当ててくれな
いと、死んじゃいそうだ。

 こまくささんから自家製のカリン酒とウメ酒のお湯割りを振舞われる。飲めない
たちだが、疲れた身体が蘇るような心地好さがある。そうそう、缶ビールもご馳走
さんでした。

 休憩後、来た道を戻り、音羽池のところから長池周回のコースに入ってみる。し
かし、長池は少し期待外れだった。水が少ないせいもあるのだろう。少し日が翳っ
てきたせいもあるのかも知れない。紅葉がまだだったせいもある。小さいけど、む
しろ音羽池の方が、水が豊かでいい感じだった。

 夫婦滝の手前の木橋で右岸に渡り、滝の巻き道を下りていく。白滝谷はいい谷だ。
以前は11月に訪れたので、紅葉ももっと鮮やかだったような気がする。ルートは
よく整備されているが、木の根の張った険しい道の下りが続く。
 30分程下りたところ、右手から小沢の流れが合流するところで小休止。こまく
ささんに倣って、タオルを水に浸し汗を拭う。本流の白滝谷には大岩・奇岩が多く、
ゆっくり見て、写真を撮ったりしてると一日遊べそうだ。

 やがて、木橋で左岸に渡り、沢のごろごろした岩の間を歩くようになる。角が取
れて丸くなった大きな岩や、スベスベになった白い岩が光っている。悠久の谷の歴
史が感じられる。再び木橋で右岸に戻って来ると、すぐに牛コバ。林道に出たとこ
ろに水場がある。タオルを濡らして汗をぬぐい、掬ってに口に含んでみる。冷たく
て美味。

 暫し休憩後、林道を坊村へ下りる。歩きながら、こまくささんやPLUTOさんに花
の名前などをおしえてもらう。登り道での民家の裏庭のカリンの実、登り道でのコ
ウヤボウキ、マムシグサの赤い実、ゲンノショウコの赤い花・・・等など、ゆっく
り写真を撮るユトリがなかったけど、見たり触れたりできただけでも、楽しい思い
ができた。


 別にバテた訳でもないのですが、私のペースが遅く、こまくささんとPLUTOさんに
迷惑をかけてしまいました。牛コバから南比良峠へ登りJR比良駅へ下りる・・・
という私が3年前に通ったコースを予定していたのですが、このコースを全うでき
なかったのも、時間が足りなくなった為です。とみに体力の衰えを痛感することが
多く、人生の秋を感じる山行となりました。
ただ、マイペースであれば、まだまだ歩けるとは思いますので、また、何処かに連
れていってほしいと思っています。有難うございました。

1995年 10月 15日(日曜日) 晴   (メンバー)こまくささん・PLUTOさん 

         9:00               JR湖西線志賀駅                                
        11:00- 11:15           クロトノハゲ                                   
        12:30- 13:20  1022.0m  白滝山                                        
        14:15- 14:35        夫婦滝                                     
        15:10- 15:20        牛コバ                                     
        16:05- 17:06        坊村                                      
        18:30- 18:36        京阪出町柳駅                                  

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