晩秋の山旅「蘇武岳」編

1994年 11月 13日(日曜日)

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低山徘徊日記
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 民宿の玄関の扉を開けると、もう、雨になっていた。「これでは、CATHYさん達は 無理だな・・・」自分自身に言い聞かせるように呟いて、阿瀬渓谷の金谷奥にある 登山口へ向かう。  

 登山口の駐車場に車を入れる。3〜4台の車が既にとまっている。やっぱり、来 ていないな・・・辺りを見回してみる。山は無理でも、会うことだけでも出来たら 良かったのに・・・と未練がましく思いながら、早速、身仕度にかかる。
 その数分後だった、CATHYさんが紺色の車で現れたのは・・・
 おう、山のかっこうしてるやないか・・・(^^)v

 「あきゆきさん・・・ですか・・・」それが、第一声だった。
 彼が、もし、私のことを谷村新司のイメージを抱いていたとしたら、大いに戸惑 ったことだろう。私も面食らってしまった・・・聞いていたチョビヒゲが無い!? 私の持っていた○○○○ーハマのイメージは大きく崩れた・・・(^_-)

 美人の奥さんが一緒でなかったのは残念だったが、この天気では仕方が無い。  初対面だけど、パソコンでのお交際は長い。挨拶もそこそこに、早速、蘇武岳に 向けて出発する。

 廃村金山までは、深い谷と沢山の滝に沿った、阿瀬渓谷の周遊散策コース。急な 登りもあるがルートはしっかりしている。それぞれの滝には名前が付いていて、そ の案内板などがある。入口付近だけであれば、車で来て気楽に散策が楽しめるとこ ろのようだ。お天気はもう一つだったが、それほど厳しい雨風ではないので、紅葉 を楽しみながら歩くゆとりはある。

 やがて、石積の跡などが見えるようになり、暫く行くと廃村金山だ。かろうじて 形を残している木造の建物の縁側に腰掛けて休憩とする。CATHYさんの説明による と、この建物は昔小学校だったそうだ。良く見ると、小さいオルガンがそのままお いてある。金が出ていた頃には1000人もの人が住んでいたこともあったそうだ。 でも、その当時でも、ここに通じる車の道は無かった。冬には雪崩の危険を避けて 尾根を廻っての物資輸送をしていたそうだ。

 「この付近に竹林があるのも、昔人が生活していた匂いを感じさせる・・・」と CATHYさんは話していた。

 村外れにあるその竹林を過ぎると、沢に沿った道となる。暑い時分であれば、な かなか快適なルートかも知れないが、今日のような雨で濡れている時は気を遣う。 丸木橋などで5〜6回沢を渡り返しながら行く。やがて沢の源頭近くで、右手の杉 林の中へ入り、斜面を登り詰めたところで林道に飛び出す。金山峠だ。峠のお地蔵 さんの下で、休憩。

 ここから、蘇武岳までは林道を行ってもよいが、折角なので案内板に"熟練者"コ ースとある尾根道を行くことにする。初手から20メートルばかり急登し、尾根筋 へ出る。ここからの道は、昨日の扇ノ山の尾根道のようなすんなりしたハイキング コースではなく右へ左へと廻り込んだり、小さなUP・DOWNを繰返すややこし い道だ。2〜3ケ所はルートを誤り易そうな所も有り、赤テープ又は白リボンの目 印に注意して進む。ただ今回はCATHYさんという安心出来る先導者がいたので、実際 は、私は後をついて行っただけでした・・・(^^)v

 864.4のピークを越して暫く行くと、左下スグに林道が添うように走るよう になる。恐竜の背のギザギサのようなUP・DOWNを繰り返し、次第に高度を稼 ぎ、ようやく頂上に到着。

 こんな天気なので、もとより、展望は期待できない。頂上では流石に風は強かっ たが、幸い、雨は霧雨程度になっていた。風に背をむけて座り込み、早速昼食にす る。といっても、私はパン。CATHYさんはおにぎりを食べいてたようだ。

 近くに倒れていた白い柱に、CATHYさんが以前ご家族で来られたときの、サイン があったので、私もその隣にサインしておいた。

 帰りは、金山峠まで林道を通って行ってみることにし、林道へ向かって下りてい る途中大糠方面から2人組のパーティが上がってくる。今日初めて出会う登山者だ。 この雨の中、モノズキな人もいるものだ・・・と語り合いながら、林道を歩く。林 道まで下りると、風も殆ど気にならず、雨も霧雨程度。右手眼下に広がる紅葉や、 左手の尾根筋からハラハラと舞い散る落葉を楽しみながらののんびり歩きとなる。 CATHYさんは思わず舞い散る落葉を「蝶のよう・・・」と形容してましたナ・・・

 金山峠で一休みした後、往路を下る。濡れて滑り易いので、それだけ気をつける が、いつもにもまして快調軽快な下りだ。廃村金山で、又、一服休憩。下りは下り で登りと又違った視点で紅葉を楽しむことができる。登りに気付かなかった発見が ある。

 登山口まで下りてくると、駐車の車も随分増えていて、観光の人達が沢山来てい た。暫く、休憩、着替えを済ませ、23日の再会を約束して、帰途につく。

 R312に出るところまでCATHYさんが先導してくれる。彼が窓から手を振って 左折していったのに、私はクラクションを軽くならして応え、右折、一路奈良を目 指す。

 楽しい晩秋の山旅となりました。生憎の小雨模様にも関らず、CATHYさんの暖か い歓迎を受け、寒いなどとはちっとも感じませんでした。有難うございました。

1994年 11月 13日(日曜日) 雨 (メンバー)CATHYさん

        08:30- 08:45           登山口                                          
        09:35- 09:45   520.0m  廃村金山                                        
        11:45- 12:05  1074.4m  蘇武岳                                          
        14:25                  登山口                                          

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