9時前だったろうか、車で出発。薄い雲が空を覆ってはいるが、降りそうな雰
囲気ではない。今日はのんびりR163で行く。伊賀上野を少し過ぎ、一ノ宮か
ら名阪国道に入る。向井で下りる。国道の下をくぐる。なんだかややこして道だ
が『錫杖ケ岳』を示す道標が2ヶ所にあって、すぐさま細い林道に入る。
両脇の草が生い茂り、やっと車1台ほどの巾の道をうねうねと進む。道端にツ
リフネソウの群生を見かけると、すぐに登山口前に着く。道端にかなりの駐車ス
ペースがあって6台ほどの車が止まっている。まだ、数台のゆとりは十分にある。
車を止めて、身支度を整える。取り付きにも立派な道標があり、小さな沢の右
岸の緩やかな登りとなる。鬱蒼とした杉木立ちの登山道はよく整備されていて、
ついている木橋も立派なものだ。ただ、沢の方は倒木が多い。早速にホトトギス
やミズヒキなどの花が現れる。しばらく行くと明るく開けた場所に出る。ちょっ
とした草原のような感じだ。背の高い大きなツユクサが沢山咲いている。下山し
てくるパーティとすれ違う。
再び薄暗い道となる。白い繭のような花がある・・・「おおっ、こりゃなんじ
ゃい・・・」と三脚まで立てて写真を撮る。しかし、こりゃ後で考えると、ホト
トギスの蕾じゃないか (^_-) てなことで、適当に時間を潰しながら、ゆっく
りと登っていく。緩やかな坂を登り詰めたところ家内が待っている。柚ノ木峠。
ここで左に折れる。ベンチがあるが、もう少し登ることにする。いよいよ急な
登りになりそうな感じ。時折日が射して、かなり暑く感じる。しかしひと登りす
ると、風の通る尾根になり傾斜も緩くなる。左の谷の開けた伐採地に出る。荒れ
た感じの谷間だ。ジグザグの急な登りとなる。ただ、これも長くは続かず、また
緩やかな道となる。尾根筋に出ると僅かだが風も心地よい。小さなピークに出る
と谷を挟んで正面にようやく頂上が見えてくる。左から回り込むように、小さな
コブを3つばかり越えて痩せた鞍部に至る。ザレた急な登りになる。ロープが張
ってある。頂上直下は岩場となっており、クサリに助けられて登って行く。大し
た距離でもないのだが、息があがってしまう。
錫杖湖方面への分岐のその奥が頂上。狭い頂上だが5〜6人の先客が休憩中。
弁当を買うのを忘れたので、タッパーに入れて持ってきた梨を食べる。360度
見晴らしのきく山頂だが、生憎、雲が多く北に、御在所辺りの山の輪郭が望める
程度だ。また、南の眼下には錫杖湖が
下山にかかる。来た道を引き返す。ザレたロープ場のところまで来ると小さな
犬を連れた2人連れと出会う。小さな犬では登れないのでザックに入れていく・
・・という。こりゃ、大変だ。聞くところ、以前はこんなに荒れた道ではなかっ
たそうだ。
柚ノ木峠で一息入れようとも思ったが、そのまま登山口へ・・・戻ってくると
止めてある車は私らのを入れて、3台だけになっている。下山中にも何人かとす
れ違ったし、頂上にも何人か残っていたはずなのに・・・縦走組や別の登山口か
らの人も多いのだろう。林道端に咲いていたツリフネソウを見に行く。日当たり
がよく水気の多いところによく咲いているようだ。
低山といえどもシンドイ錫杖ケ岳ではあった。
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