高城山・三郎ケ岳・袴ケ岳「室生」

1996年 4月 28日(日曜日)

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低山徘徊日記
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 8時34分のバスに乗り出発。9時30分、近鉄榛原駅で下車。バス停へ行っ
てみると、9時20分に出たばかりで、次のバスまで2時間くらい待たなきゃな
らない。タクシーで行くことにする。タクシーに乗ったついでに、高井バス停を
通り越して仏隆寺まで行ってしまう・・・(^_-)  まあ、GWだし、スボラ山行
でもいいかぁ・・・

 仏隆寺は沢山のハイカーやカメラを持った人で賑わっている。寺は花盛り。な
んといってもメインは古い桜の木。少し盛りを過ぎた感もするが、以前来た時に
見逃していただけにラッキー。早速カメラのシャッターを押す。中には「あの3
人がいなくなればなあ・・・」と辛抱強く邪魔な人影がファインダーから消える
のを待っている人もいる。まわりの人も、思わず笑ってしまう。
 
 いよいよ、高城山へ向かって出発。仏隆寺とは反対の方向に坂道を登る。室生
寺方面へのハイカーが多いのだろう。こちらに向かう人は極わずかだ。暑いほど
の陽射しの中を歩く。道端の草花も百花繚乱という感じだが、タンポポやスミレ
がひときわ鮮やかだ。途中、ワラビなどを探してみるが、数本見つけただけ・・
・探そうとするとなかなか見つからないものだ。

 峠に差し掛かると、ショウジョウバカマが目に入る。それも、一つや二つでは
ない。少し、色があせている感じだが、思わぬところで沢山見ることが出来て、
「こりゃ、今日はついてるぞ」・・・幸先のいいスタートだ。

 峠から左の山道に入る。「高城山」を示す道標がある。すぐに墓地。その裏を
すり抜けるように登っていく。数年前に来た時は、もっと暗い森だったような気
がするが、今日の墓地は明るい。墓地を抜け突当たりの少し広い山道を左に登る。
先行していた方は、この辺りでワラビ採りでも楽しむようで、右手の草むらに入
っていく。少し登ると、双生児のお孫さんを連れた老夫婦が休憩中。こちらも、
ワラビ採りだろうか。

 小さな道標に従って左の細い道に入る。この辺りから、本格的な登り。といっ
ても、標高差は僅か200m程なので、あっという間に高城山山頂に到着。先客
は若い男性一人で、盛んに無線交信をしている。奥の方に、屋根付きの休憩所が
出来ている。少し休んで、三郎ケ岳へ向かう。

 一旦急な坂を下り、3つばかり小ピークを越す。最後に急坂をジグザグに登る
と三郎ケ岳に到着。一度行った山は、ペース配分がやりやすいのか、「えっ、も
う着いたの〜」といった感じだ。沢山の人がいるかと思いきや、誰もいない。あ
まり人が多いのも嫌だが、誰もいないとなると、一寸拍子抜けの感じもする。G
Wにシンドイ思いをして山登りをする人は少ないようだ。

 早速、昼食にする。西の方には立木の隙間から高城山がすぐ近くに見える。北
の方には台高の山なみだ。谷の方から、時折、ハイカーの話す声が風に乗って届
いてくる。

 休憩後、石割峠へ向かって下山。立木に捉まりながら急な坂を下りる。急な崖
の途中にイワカガミの花を見つける。まだ完全には開いていないが、これは撮ら
なくちゃ・・・三脚は立てられなかったので、手持ちで撮る。

 すぐに石仏への分岐に着くが、以前に行ったことがあるので、今回はパス。植
林小屋まで下る。少し、休憩。家内がワラビを探している間に、ルートを調べた
いところがあったので、付近をウロウロ。

 そうこうしている内に、石仏の方からだろうか、若い男女のパーティが賑やか
に下りてくる。やはり、小屋の近くまで下りてきて休憩に入るようだ。そのタイ
ミングで、こちらは下山開始。鬱蒼とした杉の植林の中を下りる。多少倒木があ
るけど、道は歩きやすくなっている。

 林道(旧伊勢街道)に出る。ブルトーザがあって、今日は作業はしていないが、
道路工事をやっているようだ。舗装してしまうのか? あんまり手をいれて欲し
くないものだ。

 林道を左手に登って、石割峠。峠から右の尾根道に入る。取付きは不明確だか、
一度行ったことのあるルートなので、迷わず尾根に取付く。「ほんとに、ここな
の〜」家内は疑っているようだ。特に下部はルートが判りにくい。高度差100m
を直登し、息を切らして815mのピークに立つ。荷物を下ろして、一息入れる。

 目指す袴ケ岳はすぐ目の前に見えているのだが、ルートは尾根伝いに左からグ
ルット回っていくので、かなり時間がかかる。細い尾根道を、一旦、鞍部に下り
る。なんと細い林道が通っている。以前の記憶に無いが新しいものだろうか?

 その林道を越え、家内の尻を押し上げて、向かいの土手に上がり、先程の尾根
道の続きを見つける。次の小ピークから分岐を右にとり北上。少しヤブっぽくな
った細い踏み跡を辿ると、ようやく袴ケ岳に到着。

 北面に見える三郎ケ岳は、かなりピラミダル。ここからの眺望だけでも、苦労
して袴ケ岳まで来た値打ちがある。また、東の方角に見える815mピークも、
通って来たことを誇れるような、かなり鋭峻な山容だ。

 頂上の少し手前に赤いテープがあって、右手に下りるルートがあったようだが、
今日は、北側の尾根をまっすぐ下りてみることにする。家内が、一寸偵察して来
たところによると、一応、踏み跡はあるようだ。また、杉の植林は尾根のすぐ下
まで迫っているので、最悪、植林帯にエスケープすれば、なんとかなるという読
みもある。面白そうだ。前回は、来た道を引返しているので、今回、初めてのル
ートということになる。

 尾根筋の踏み跡は古いもので、かなり踏まれてはいるが、最近はあまり使われ
ていないようだ。所々はブッシュに戻っていて、立ち止まって思案すること数度。
頂上直下に2ヶ所程テープの目印があったものの、その後は見つけることが出来
ない。鋭いイバラに悩まされたりしながら、3ヶ所ほどの急な崖の下りをこなし
て、ようやく、植林帯に入る。植林帯に入ると踏み跡は不鮮明になって見失って
しまうが、眼下に林道が見える。杉の植林の中を適当に下りて林道に出る。

 「ふぅ〜っ、ああ、面白かった・・・」日陰を見つけて、一息入れる。ヤブ嫌
いの家内はブツブツ言っていたようだが、「ヤブ道も、時々通ってあげないと、
いつか消えてしまうんだよ」と言うと、「また、そんなカッコつけて・・・」と
信用しない。涼しい風が火照った身体にとてつもなく気持ちいい。

 写真を撮りながら、ブラブラと旧伊勢街道をバス停に向かう。

1996年 4月 28日(日曜日) 晴    (メンバー)芳子

        10:00- 10:20   520.0m  仏隆寺                                    
        10:45- 10:55   820.0m  高城山                                      
        11:20- 11:45   879.0m  三郎ケ岳                                    
        12:20          700.0m  石割峠                                      
        12:40- 12:45   815.0m  815mピーク                              
        13:10- 13:20   812.0m  袴ケ岳                                      
        14:00                  林道                                       
        16:00- 16:27   350.0m  赤植口バス停                                

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