大台ケ原 秋遊(1995年11月)

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低山徘徊日記
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大峰の山々を望む
(C)1995 Akiyuki Kuroe All rights reserved.

 寝過ごしてしまって、6時に出発。大台ケ原に到着したのは8時過ぎになってし まい、既に駐車場は満杯。少し手前の路側の空地に駐車する。この時間で満杯とは 恐れ入りました (^_-)

 身仕度を整え、日出ケ岳へ向かう。山の朝は早く、何組ものハイカーが頂上を目 指す。頂上では展望台でカメラを出してパチパチ。ほぼ快晴に近い好天に恵まれ、 西の方に連なる大峰の山々の展望が素晴らしい。ただ、残念なことに、東の方の山 には雲がかかり、富士山は見えない (^_-)

 山頂から西の尾根に続く踏み跡を辿る。あまり明確な踏み跡とはいえないが、芝 生のようなイトザサに踏み跡が続いている。道標は無いが、割と広い尾根を外さな ければ問題ないようだ。次のピークは眼前に見えている。頂上での喧騒が嘘のよう な静かな尾根歩きだ。時折、警戒する鳴き声が鋭く響き、数頭の鹿の群れが行く手 を横切ったりする。日陰には霜柱が残っていたりする。冬は、もう近い。明神平か ら檜塚奥峰・檜塚へ向かう広い尾根道に似た感じだ。

 巴岳から一旦下って、ドライブウエイのすぐ近くまで出てくる。ここが、大台辻 を経て入之波温泉や池木屋〜高見山への縦走路への分岐となっている。縦走路に沿 って少し登った処のテープの目印から左手に分れてナゴヤ岳へと進む。

 ナゴヤ岳から右手の急斜面を下り、鞍部から急斜面を登る。踏み跡は不鮮明で、 途中で見失ってしまったが、三津河落山は眼前なので、とにかく登る。

 三津河落へはなだらかに下りていく。立ち木は無くなり、明るく広い芝生の丘に パッと飛び出した感じだ。ルート左に折れて、西の日本鼻へなだらかに登っている。 一面、芝生のようにイトザサが生えていて、ピクニックに最適・・・という感じ。 北西方向には大和岳が見える。ところどころに白い岩が露出していて、なかなかの 景観だ。休憩して写真を撮っていると、若い単独青年が追ついてくる。三脚を持っ ている。彼は、少し先まで行ってカメラを取出したようだ。

 大和岳の方に小さな人影が見える・・・あれあれ・・・沢山いるぞ・・・ アリ の行列のように、こちらに向かって来ているようだ。

 日本鼻から大和岳への鞍部へ下りる途中、彼等とすれ違う。なんと101人の団 体だそうだ。この付近に来て、先程の青年に出会い、今度は団体に出会う。それま で、全く人に出会うこともなく、奥深い森の山歩に浸っていたのに、突然、現実の 世界に引き戻されたような感じがした。

 大和岳から尾根づたいに緩い坂を下りていくと、低木の繁に出てくる。青年は、 ここから左の斜面を下りたようだ。私達はその繁を右に巻いて、あくまでも、尾根 筋を辿る。2つばかり小ピークを過ぎると、左手前方の眼下にドライブウエイが見 えてくる。道なりに下っていくと、どうもそちらとは違う右手の尾根へ向かってい るようだ。途中まで下りたところで、引返すことにする。こういう戻りの登りは気 分的にシンドイ。再びドライブウエイを目指して、別の踏み跡を下りるが、こちら の方が酷い薮だ。まあ、方向は間違ってないようなので、がむしゃらに下りる。な んとかドライブウエイに出る。下りてきて判ったのだが、先程引返した道が正解だ ったようで、そちらへ向かって立派なトラバース道が付けられている (^^;

ドライブウエイを15分程西へ歩き、テープの目印から右手の山道に突入。一登 りした小ピークで左に曲がりる。大した高度差はない。頂上直下に大きな露岩があ り、その脇を登ると今日の経ケ峰に到着。今日の予定ピークはこれで終わりだ。狭 い頂上で昼食にする。生憎展望は望めないが、誰もいない寂れた感じの山だ。ただ、 すぐ近くをドライブウエイが通っているので、時折、オートバイの騒音が響き、一 寸興醒めだ。

更に西へ進んで、一旦ドライブウエイに出る。僅かにドライブウエイを歩いて、 「この辺かな・・・」と適当な場所で再度、右手の山に突入。緩斜面を少し登ると 経塔石に至る。ここから、赤テープを頼りに南の笹薮へ飛込む。直にドライブウエ イに下りる筈なので、がむしゃらに進むが、なかなか手強いササだ。

 笹薮を抜けると、未舗装の道路に出る。左に下っていくと、すぐにドライブウエ イ。ドライブウエイを右に少し行くと、右カーブの処に駐車スペースがあり、何台 かの車がとまっている。いい展望所のようだ。駐車スペースの奥から小処温泉へ下 る道が始まっているが、道標は見当たらない。やや広めのしっかりした山道だ。途 中で枝道分岐も沢山あるが、明かにメインと判る方を下りていけば問題ないようだ。

 やがて、左手下にワサビ谷の流れが見えてくる。相当下りて、ワサビ谷の右岸沿 いの道になる。広い谷はさほどの水量もなく、飛び石で渡れそうなところが何ヶ所 かあるが、一応ルート通りに歩く。やがて、西大台周遊コースに出会う。この6月 の山行で下りてきた七ツ池からのルートだ。今日はこのコースを登ることにする。 七ツ池付近まで高度差200mに満たないのだが、長く歩いて来た身体にはチトこ たえる。七ツ池あたりのしっとりした空気が好きで、芳子にもここの空気を味わっ て欲しいと思い、その為にドライブウエイからここまで下りてきたのだ。彼女には 迷惑だっただけかも知れないが・・・(^_-)

 増水時用にロープが掛けてあるが、それ程の水量はなく、飛び石伝いにワサビ谷 を渡る。小さな枝沢を同じ様に渡り、カツラ谷を越えると、七ツ池までは緩やかだ が長い登りが続く。登りになる手前の広い谷の河原では、大台の駐車場から下りて 来たグループの人達にかなり沢山出会う。昔、試みられた開拓跡を散策する人も多 いようだ。

 七ツ池付近は、6月に訪れた時とは、大きく様相が変わっている。しっとりした 落着いた雰囲気に変わりは無いが、梅雨時にはもっと全体が、空気までもが緑に苔 蒸された感じだった。バイケイソウの緑が印象に残っている。  今は、ほぼ紅葉も終り、冬を迎えようとする落着いたたたずまいを見せている。

 七ツ池を過ぎると、ほぼ水平の道となり、のんびりと駐車場へ向かう。時間が遅 いせいかもう大台から下りてくる人もない。いくつかの小さな沢を渡る。夏であれ ば、必ず、流れを汲んで火照った身体を冷やすところだろう。やがて大台教会の下 を通り、駐車場に戻り着く。

 駐車場に戻ると、各周遊コースから戻って来た人で賑わっている。次々に帰りの 車やバスが駐車場を出ていく。売店で冷たい飲物を求め、疲れを癒す。やきいもを 売っていたので芳子を買いに行かせると、なんと一本800円・・・(〇o〇;) でも、美味しかった。

 帰りのドライブウエイでは大峰の山々の展望を楽しむ。途中の駐車スペースに車 を寄せて、写真を撮る。綺麗なススキの穂も残っていて、低く傾いた太陽にキラキ ラと映えている。R169へ出るのに少し渋滞したが、一日、メいっぱい歩いたの だから、もう、何もいうことはない。満ち足りた思いで帰途につく。


 今日の山行は、日出ケ岳直下の駐車場からのスタートなので、登りが無くて、い きなり縦走路・・・といった感じでした。あまり登りはきつくなかったけども、結 構長い時間の掛かるコースでした。紅葉はもう殆ど終わりで、一寸、残念でしたが、 落葉とイトザサの道がサクサクとして、なんとも快適でした。

1995年 11月 05日(日曜日) 晴      (メンバー)芳子   
         8:35         1580.0m  駐車場                     
         9:05-  9:15  1694.9m  日出ケ岳                    
         9:35                  巴岳                      
        10:15- 10:20  1610.0m  ナゴヤ岳                    
        10:45- 10:50  1654.0m  三津河落山                   
        11:00- 11:10  1630.0m  三津河落                     
        11:40     1597.0m  大和岳                       
        12:05         ドライブウエイ                        
        12:30- 12:45  1528.9m  経ケ峰                     
        12:55                  経塔石                     
        13:25         1315.0m  七ツ池分岐                   
        14:00- 14:25  1480.0m  七ツ池                     
        15:10         1580.0m  駐車場                       

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