飯盛山・迷岳「台高」


1997年 10月 22日 (水曜日)
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低山徘徊日記
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迷岳山頂の紅葉
(C)1997 Akiyuki Kuroe All rights reserved.

 93年の1月に一人で出かけた迷岳だが、今回は家内と一緒に登ってみること  にする。家内は一寸肩を痛めているので、念のためザイルをザックの底に忍ば  せる。入念に準備をしたのはいいのだが・・・例によって朝起きるのが遅かっ  た・・・^^;   前回の記録では、もう登り始めようか・・・という時間に家  を出る情けないことになる。おまけに、ラッシュに巻込まれたりして、登山口  へ到着したのは9時40分。

 唐谷川にかかる橋の手前が登山口だが、その向かいに車2台ほどのスペースが あり、既に登山者のらしき1台がとまっている。その手前には舗装された駐車場 もあるのだが、遠慮してその車の横に車を入れる。

 以前は、この橋を渡ったところにキャンプできるような場所があったのだか、 今は建物が建っていたりして、大きなリフトが100mほど上に伸びている。な にやら、土木工事なども行われているようだ。

 お天気は快晴。楽しい山になりそうだ。唐谷川の左岸の踏み跡に入る。対岸か らは工事の音などが響いてきて、せつかくの雰囲気が台無しだが、近くに人がい ると思えば心強いような気もする。しばらくは水平道を進む。一旦、右手に深く 回りこんで小さな涸れた沢を渡りしばらく行くと、右手に青いペンキの目印の分 岐がある。少し考えるがここではなさそう。さらに進むと、赤テープの目印のあ る分岐がある。ここから右手の斜面の登りとなる。因みに前回来たときのルート とは全く違う・・・前回は全く別のルート(上の方はヤブ)を登っていたようだ ・・・(^_-)

 ここまでに、紫色のアキチョウジやミカエリソウが咲いていたていどで、あま り花は期待できないようだ。先が長いので写真は撮らずに進む。急な斜面をジグ ザグに登っていく。途中、1ケ所、分岐があるが、赤テープの目印で右手へ登る。 小さな枝尾根の直登になる。荷が重い割には快調。尾根に出る少し手前でロープ の張ってある急坂がある。家内を待ったついでに一寸休憩。小さな沢の源頭のよ うな感じのところをまだジグザグに進むと809mピークと630mピークの鞍 部に出てくる。テープがベタベタと貼ってある。帰りに下りるところなので目印 などを頭にいれておく。

 少し休憩して取敢えず飯盛山へ向かう。登ってみると飯盛山(二峰)という表 示があった。最近はそういう言い方をするのかも知れないが、要するに809m 峰。下から見ると「あんなところに登るのか・・・」と思うほどの尖峰だ。肩を 悪くしている家内にとっては、少し登りにくい箇所もあったか、慎重に足を運ぶ。 以前来たときより赤テープなどの目印は随分増えているようで、ルートは判りや すく感じた。809mピークから一旦少し下り、更に尾根伝いにのぼる。

 すぐに、2つ目の難所があるが、そこをクリアすると後はまあまあの登り。緩 やかなアップダウンで登っていく。岩場にはイワカガミも多い。また、岩稜の尾 根筋にはシャクナゲも多い。それぞれの花の季節には素晴らしいだろう・・・と は思うが、果たして写真を撮るゆとりがあるだろうか・・・「飯盛山はまだかな あ・・・もうすぎたのかも・・・」と思っていると、前方から鈴の音が聞こえて くる。下にあった車の人がもう下りてきたのかな・・・と思って歩いているが、 なかなかやってこない。どうも先行者のようだ。少し先で単独の初老男性に追い つく。聞いて見ると、下の車の主であった。

 「こんちはぁ、飯盛山はまだですかねぇ」「飯盛山はもう過ぎましたよ」「あ あ、そうですかぁ、そんな気もしてたんですが・・・」「迷岳まで?」「ええ・ ・・」「それなら、あと50分くらいですよ」やや、ヘタってきていたところな ので、もう、あと少しと聞いてホッとする。そこから少し行くと立ち枯れがあっ て少し開けたところにでる。12時を回っていたので、取敢えず、ここで昼食に する。抜けるように青い空が広がる。心地好い風もあって爽快。ここに「飯盛山」 の山名板があったが、多分間違いだろう。

 少し休んだ後、いよいよ迷岳を目指して最後の頑張り。細い尾根道は茂みの為 に三脚が邪魔して歩きにくい。これからは縦に付けないといけないな・・・とい うより、こんな山には三脚は不要か・・・(^_-)  左手に唐谷林道への分岐表示 がある。その先には、1079mのピーク表示がある。目指す迷岳は眼前に迫っ てくる。山頂直下で広い尾根にでる。右手に布引滝方面への下山分岐がある。

 最後にひとふんばりしてようやく頂上。途中の道はあまり覚えていないものの、 山頂の雰囲気はよく覚えている。さほど展望はないが、木の間越しに北側の三峰 山から高見山に連なる台高の山々が見える。さらに西に回って明神平から池木屋 山へ続いているのだろう。先程の単独男性はかなりこの辺りの山を登っておられ るようで、その方のお話しでは、今年のブナの黄葉はさほど奇麗ではない・・・ ということだった。そう言えば、ここまでの道すがら、紅葉も黄葉も、あまり鮮 やかではなかった。ただし、この頂上のこのうえなく穏やかで平和なたたずまい ・・・苦労して登ったことが、なにもかも報われるひとときだ。

 昼食を済ませ、ビデオを撮ったりしてはる単独男性に別れを告げて、一足先に 下山することにする。スタートが遅かったこともあって、行った事のない布引滝 への下山は断念し、来た道を戻る事にする。下りは得意なはずだが、少し荷が重 過ぎたのか、三脚が邪魔になって身体に負担が掛かり過ぎたのか・・・やや、く たびれた感じ。うんざりするほど長く感じる道だ。赤テープを確認しながら忠実 に来た道を戻る。809mのピークに登りかえすと、後は下るのみだ。ホッと一 息つく。途中2ケ所の難所も無事に通過。鞍部から東の植林帯へ下る。16時を 過ぎると、東斜面の植林帯は日陰になり薄暗くなってしまう。

 17時、唐谷沿いの水平道へ下りてくる。心地好い谷川の流れの音を楽しみな がら駐車地へ戻る。頂上で会った単独男性に饅頭を頂いたので、隣の車にお礼の メモとミカンを残す。

 楽しみにしていた温泉に向かう。いつも行くホテル「スメール」までは車で5 分とかからない。700円は高いかも知れないが、下山してすぐに入れるのは有 り難い。「ゴクラク、ゴクラク・・・(^^)v 」浴槽からは、窓の外に先程下りて きた飯盛山809mの尖峰を望む事ができる。異様なほどの鋭い山の影だ。久し 振りに骨のある山に登る事ができたことに感謝。風呂からあがり、外に出るとも う真っ暗になっていた。

  1997年 10月  22日 (水曜日)   晴れ   (メンバー)芳子

         9:40-  9:50           登山口(橋のたもと)                        
        10:45- 10:55           尾根出合                                    
        11:30- 11:35   809.0m  飯盛山二峰                                  
                       930.0m  飯盛山                                      
        12:35- 12:45           飯盛山ではないが飯盛山と表示のあるピーク    
        13:45- 14:20  1309.1m  迷岳                    
        15:00- 15:10           飯盛山ではないが飯盛山と表示のあるピーク    
        15:50- 16:00   809.0m  飯盛山二峰                            
        16:20- 16:25           尾根出合                            
        17:10- 17:20           登山口(橋のたもと)                        

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