暑くとも気持ちいい皆子山[京都]

1995年 8月 27日(日曜日)

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低山徘徊日記
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 今日は、JR堅田からのバスで入山地の足尾谷橋に入る計画で、6時54分のバ
スで家を出る。7時57分京都発の湖西線の電車は、山姿の人がほとんどのようで、
さながら登山列車の感じだ。堅田駅でも思いのほか沢山の人が下車し、バス待ちの
行列は100人位いたのではないだろうか。その列の後ろの方に並んでいた私達は
7時54分バスに乗れた最後の人間だった。後の人は、諦めたのか・・・別のバス
に乗る人達だったのか・・・。兎に角、詰め込めるだけ詰め込んだという状態だ。
平で下りた乗客の一人は「もっと人間らしく扱ってくれ・・・」と文句を言ってい
た。臨機応変に臨時バスを手配して欲しいものだ。

 足尾谷橋で下車したのは私達二人だけ。
 足尾谷の左岸に沿った林道を快適に歩く。初めは、さしたる登りはなく、ゆとり
もあったので、道端の花などを探しながら歩く。車で入って、魚を釣っている人を
何組か見掛ける。

 やがて、車の通れる道は終り、山道となる。あまり道標のようなものはないが、
ほぼ、一本道。時折、木橋や飛び石で左岸・右岸と渡ったり、沢中の水の無い部分
を歩く。岸辺の木に括り付けられたリボンやテープでルートを確認しながらの、や
や、気を使うコースだ。滑り易い岩や木橋にも気を使う。

 二股の分岐があり、案内板に「八丁平は右」の案内がある。小さい字で皆子山も
付け加えてある。エアリアマップによると、このあたりで、左の斜面に取付く感じ
だったので、一寸疑問は残ったが、案内板の通りに、右手の登り道に入る。暫く行
ってみるが、どうも、思っている皆子山への分岐が無い。さっきの分岐を直進だっ
たか・・・と思い、一旦引返す。しかし、分岐から左のルートを行ってみても、す
ぐ沢に下りてしまい、その先を探すが、皆子山へのルートは無さそう・・・(^^;

 再度、分岐まで戻り、案内板の道を行く。しばらく行くと、左岸を歩いていると
左手に下る踏み跡がある。下の方に小屋の屋根が見える。これがマップにあるKR
AC芦尾小屋だろうか・・・。そうだとすると、さっきは地図を読み間違っていた
な・・・やがて、目指す分岐があり、ここには、木の高い位置に案内板が掛かって
いる。直進が「二の谷」左が皆子山とある。少し皆子山へのルートに入ったところ
で、小休止。沢水は冷たく、日陰だと風も冷たい。今朝の天気予報では最高気温を
36度といっていた。その通りまだまだ暑い。しかし、このコースはかなりマシな
方ではないだろうか。

 更に、険しくなった沢道を辿る。所々はルートが幾つかに分れているようで、目
印のテープが何ヶ所かにあったりする。やがて、先行グループが見えてくる。京都
バスで先に着いた人達だろうか・・・6人くらいのおばちゃんグループと、中年夫
婦とおじいちゃんのパーティ、その他、単独の男性がいたような気がする。一旦、
彼等の休憩中を追越して行くが、「皆子山まで40分」と案内のある分岐点で、私
達が二度目の休憩をしている最中に追越される。
 この分岐を左にとり、ツボクリ谷を離れる。小沢を詰め上がる感じだ。エアリア
マップにあるような、シグザグの道ではない。ほぼ直登。途中で、中年夫婦組を追
い越す。いつしか、沢の水は無くなり、やがて沢も無くなり、クマザサの中を登る
ようになる。息を切らし、あえぎ、2度程、家内を待つ振りをして立ち休み。

 ようやく頂上。おばちゃんグループの他に、寺谷か皆子谷から上がって来たグル
ープなど、20人位の人で賑わっている。早速に、おにぎりの昼食。相変わらず展
望は無い。立ち木の隙間から比良の山が僅かに望める程度だ。

 下山は巻道と谷道と二つある寺谷ルートの内、谷道を使うことにする。頂上から、
少し南下した地点から、クマザサに覆われた踏み跡に突入。クマザサの為、取付は
不明確だが、一旦入ってしまうと、踏み跡ははっきりしている。ここからは以前に
一度通っているルートだが、その急下降に改めて吃驚する。立ち木やクマザサに捉
まりながら、半ば滑るように下りていく。ひとしきり下りて、寺谷源頭におり立つ。
 このあたりは、まだ流れはささやかだが、石のゴロゴロした掘割の中を下りてい
く感じだ。下る程に流れも水を増してくるし、ほとんどが木陰の道なので、この時
期有難いコースだ。水色のテープが要所要所にあって、分岐などでは有難い。

 途中、小さな滝の巻き道の小さな崖を下っている時、家内が足を滑らせて、立ち
木にぶら下り状態となる。落ちても死にはしないだろうが、まちがうと、骨折くら
いの危険がある。慎重に・・・と思った矢先、今度は、私が腐った木の枝に右足を
乗せて横滑り。左手を岩に付いて、頭が岩にぶつかるのを回避し、尻餅も付かずに
済んだと思った途端、もう一段、足が滑って、今度は完全に尻餅・・・(^_-)

 やがて、巻き道ルートとの分岐地点に出てくる。少し休憩を入れたり、冷たい沢
水で汗をふいたりしながら、ひたすら下る。最後に、幅広の立派な木橋を渡って、
寺谷出合いに到着。

 ここで、涼みたくて、このコースを選んだようなものだ。早速、靴を脱ぎ裸足に
なって安曇川源流の流れに入る。しばらくは、流れの縁の岩に腰をかけて足を浸す。
タオルを濡らして汗を拭う。汗が引っ込んだところで、煙草を一服。麦茶を一杯。
幸い雲が出てきて、陽射しが和らいでいる。木陰にシートを敷き、川面を渡る涼風
に浸る。バスの時間までゆっくりあるので、昼寝モードへ・・・。ウトウトとした
だけだったが、最高に幸せな感じだ。

 平のバス停まで、30分程林道を歩く。日が翳っていたのもラッキーだった。少
し、ゆとりの出たところで、野辺の花などを探してみるが、疲れのせいか、カメラ
を構えてもシャッターを押す気がしない。めぼしい花もなく、時折、赤い小花が目
を引いただけだった。帰って図鑑で調べると、ゲンノショウコか・・・名前だけは
よく知っている何処にでもある花らしいか、情けないけど、無知な私にとっては図
鑑を見ないと判らない。

 バスの時間までは、バス停近くの栃ノ実茶屋でラムネを飲んだり、地元婦人会の
出店を覗いたりして時間をつぶす。しかし、定刻になってもバスは来ず、20分程
過ぎて、ようやく、やってくる。だが・・・満員通過 (^^; ("`o'メ)
                    ~~~~~~~~
 2〜3人なら乗れたのだろうが、待っていたのが10数人だったので、ドアを開
けてくれなかったのだろう。「次の京都バスに乗ってください」だと・・・江若バ
スの人が京都バスを待てとはどういうこっちゃ・・・それも、一時間も後の・・・
江若バスの無責任で不親切な対応に一同怒る。ちゃんと臨時バスを出してくれよ!

 仕方なく、次のバスまで時間もあるので、かき氷を食べよう・・・と、栃ノ実茶
屋に入り宇治金時といちごを注文。「満員通過で置いてかれたんですよ」と話して
いたら、お店の綺麗な女性が「5時になったら堅田の方へ帰りますので、送ってあ
げましょう・・・」とおっしゃって下さる。次の京都バスに、確実に乗れるのであ
れば、それを待っていたかも知れないが、あの調子では、また、積み残されそう・
・・有難く、ご好意に甘えることにする。そうして、いるうちに、外でこの「積残
し事件」を聞いた、この店の若主人だろうか、彼は、置き去りにされた他の10数
人の人達を、彼の友達等の車で送るように手配をしてくれたようだ。そして、私達
を乗せてくれると言ってた女性(パートの奥さん?)に「5時にならなくても、もう、
送って行って・・・」と言って下さったみたいで、私達がかき氷を食べ終わると、
すぐに出発となった。

 その若主人にもお礼を言って彼女の車に乗る。なんと外車だ・・・(〇o〇)彼女
はJR小野駅の近くの京阪の開発した住宅地に住んではるようで、混雑を避け、抜
け道を通って、その団地の中を通り抜けて、小野駅まで送って下さる。前回来た時
は、同じバスに乗って17時半過ぎの電車に乗ったようなので、結果的には、バス
に乗るより早かったようだ。

 17時、小野駅に到着。17時7分のJRに乗る。


 皆子山は1000m足らずの山だが、京都府最高峰。暑い時期にも関らず、沢山
の入山者があり、驚きでした。また、コグルミ谷は、思いのほか厳しく面白いコー
スでした。

 江若バスのサービスの悪さにはトサカにきたけど、地元の栃ノ実茶屋の皆さんは、
私達、登山者に大変親切にして下さり、とてもいい思い出になりました。運んでい
ただいたお礼を、頑なに拒否した彼女に「そんなことより、また来てくださいネ」
と言われ、いつか、また出掛けて、栃ノ実茶屋でかき氷を食べよう・・・と思いま
した。

1995年 8月 27日(日曜日) 晴後曇り (メンバー)芳子

        09:35          400.0m  足尾谷橋                                        
        10:30- 10:40   531.0m  ツボクリ谷出合                                  
        11:55- 12:25   971.5m  皆子山山頂                                      
        13:30- 14:40   500.0m  寺谷出合                                        
        15:20- 16:40   460.0m  平                                              

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