出来たての踏み跡を辿る・烏岳「三重」

2000年 10月 08日(日曜日) 曇り

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低山徘徊日記
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 お昼までは、なんとかお天気も持ちそうな予報だったので、崩れるのが少しで も遅かろうと、東のほうへ出かける。R166をひた走り、高見トンネルを抜け、 局ケ岳の横を通り、右折して、すぐまた左折してR368に入る。細い道で集落 を抜け、櫛田川に掛かる橋を渡ったところで左折。川沿いの道を北進。左手に細 い橋の掛かる分岐を過ぎて少し行く。  右手の茶畑の入り口に、烏岳の登山口を示す道標がある。『この付近に駐車す るな』という表示があったので、先ほどの細い橋のたもとまで戻り、栗林の向か いの空き地に車を止める。栗林で作業中の婦人が、胡散臭そうにこちらを見てい る。山登りの格好をしているのを見て、安心したのだろうか・・・特にお咎めは 無かった。  ほんとは、先ほどの登山口案内から右折し、少し登っていくと本当の登山口が あって、駐車場もあったのだが、それは後で知ったこと。車を止めると、急ぎ身 支度を整える。空は、どんよりとした雲に覆われているものの、降りそうな気配 ではない。それでも、出来るだけ早く下山することにして、出発。    疑われても嫌なので、栗林とは反対の道路端を、先ほどの登山口案内のあった 方へ進み、茶畑の中の道に入る。道標もあり、登山口まで舗装された道を進む。 車一台がやっと通るほどの道は、すぐに大きな案内板のある登山口に至る。道は まだ続いているが、左手に一寸下りた沢の手前が駐車スペースになっていて、6 〜7台は入りそうだ。軽トラ2台と乗用車が止まっている。  駐車場奥に木橋があり、そこが取り付き。右岸に渡り、沢に沿って登る。道は、 最近整備されたもののようで、草刈と同時に道幅が多少広く切り開かれた、土を 掘り起こした痕跡が生なましい。「こりゃ、まだ新しいね・・・」などと言いな がら歩いていると。前方に人影があって、ご老人お2人、今が『工事中』であっ た。新しいハズだ (^_-)  「ご苦労様です」などと声を掛けて近寄っていく。少し、話をしてみると、下 山に予定していた桜峠の手前に降りてくるルートは、山抜けがあったり、蜂の巣 があったりして、通行困難になっているようだ。「この上の案内板にも書いてあ るけど、こちらに下りて来た方がいいよ」ということであった。  その2人と出会ったところで、丁度、舗装された林道に出る。登山口の駐車場 から続いている道のようだ。左に登っていく。右カーブして少し行くと、『順路』 と書いた大きな矢印があって、その近くに大きな案内地図がある。工事のお2人 が言っておられたように、当初下山に予定していたルートには×印がつけられて いる。  『順路』の表示に従い、左の斜面を登る。少し登るとまた平坦な道になって、 先ほどの舗装された道の続きにでる。急な舗装道路を左に登っていくと、また 『順路』の案内。ここからまた、左手の斜面のジグザグの登りとなる。すぐに、 右手からの道と合流するが、ここは左手に登っていく。  後は、一本道で、要所要所には『第○展望台』とか、方向や距離を示す道標が 立っている。割と急な登りが続き、植林の中の広く薄暗い谷をジグザグに詰めて いく。この辺りで、どこかのクラブの方だろうか、お揃いの青シャツの男性2人 が下ってくる。今日出会った登山者は、この2人だけだった。深い植林の中を歩 いていると、酷く暗くなったように感じ、お天気が心配になってくる。でも、こ こから、少しの登りで尾根筋に出る。  といっても、尾根の真上を行くのではなく、左手に巻くような感じで、斜面に 付けられた道を緩やかに登っていく。所々に展望台と称される少し見晴らしのよ いところがあって、心地よい。花は少ないが、尾根筋に出るとツリガネニンジン やアザミなどが沢山さいていた。  T字路に出る。右は『頂上展望台』左は『烏岳・大日如来』とある。とりあえ ず、左へ進む。この辺りからはあまり急な登りは無く、植林帯ではあるが気持ち のよい尾根歩きとなる。  ほどなく烏岳山頂。南側がちょっと開けている。木作りの展望台があるので、 多少山頂らしい雰囲気がするが、どちらかというと尾根の一ピークといった感じ。 さらに、少し下って登り返すと大日如来のあるピークにつく。その少し手前に分 岐道標があり、波多瀬方面への下山路となっている。割と立派な踏み跡だ。  こちらのピークは、割と広く、ベンチもあり、頂上らしい雰囲気がある。大き な苔の生えた木の根元に大日如来が安置されている。石造りでお地蔵さんのよう な感じだ。ベンチに腰掛け、家から持ってきた梨などを食べ、喉も潤す。東の展 望が広がる。  来た道を引き返し、烏岳山頂を経て先ほど登りついたT字分岐まで下る。今度 は、ここを直進して山頂展望台へ・・・ すぐに反射板設備のある展望台へ到着。 ここには立派な東屋もあり、南側の展望が開けている。  展望台から少し引き返したところに、南に下る細い踏み跡があったが、これが 当初予定していた下山ルートであろう。最近はあまり踏まれていないような感じ であった。登山口で聞いたアドバイスに素直に従うこととし、来た道を戻ること にする。  T字分岐まで引き返し、後はひたすら下る。登山口の近くで作業していた2人 も、午前中で仕事を終えたのか、駐車場においていた軽四トラックを上げてきて、 帰り支度をされているとろであった。また、少し話をするが、この山、地元では かなり力を入れて整備し、登山客を誘致したい風であった。帰り際に「奈良の人 にも宣伝しといてねぇ」と頼まれる (^_-)  低い山ではあるが、独立峰の趣きがあり、R166の方から見ると烏が羽を休 めたような格好で、かなりいい姿をしている。それで烏岳というのかと思ってい たら、ガイドブックによると烏の塒になっているから・・・ということではあっ た・・・(^_-)  ただ、山全体が殆ど植林であるので、尾根に出るまでは薄暗い道が多く、花も 多くない。頂上の大日如来の石像にあるように、地元の信仰の山として整備され てきたのだろう。あまり、一般向きとは言えないかもしれないが、展望台からの 眺めでも、もっと広がると、人気が出るのかもしれないと感じた。  帰りかけると、ポツポツと降り始めたが、たいして酷い雨にはならなかったよ うだ。ただ、高見山の手前ではかなり本降りとなっていて、その雨の中で運動会 をやっていた小学校があったが、ちょっと気の毒であった。  今日はツリガネニンジンの写真が収穫であった。あまりお天気のよいとは言え  ない週 末、なんとか出かけることができたし、花も咲いていたし・・・そう  考えると大満足の山であった。
 2000年 10月 08日(日曜日)  曇り      (メンバー)芳子

       10:20- 10:25           駐車地                                   
       10:40                  登山口                              
       11:15                  T字分岐(烏岳←→山頂展望台)               
       11:20- 11:25   545.0m  烏岳                                        
       11:30- 11:35           大日如来                              
       11:45                  T字分岐(烏岳←→山頂展望台)               
       11:50                  山頂展望台                             
       12:20                  登山口                              
       12:25- 12:35           駐車地                                   

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