昼から家を出る。小一時間でいつも車を止める登山口近くに到着。長閑な田園
風景は心を和ませてくれる。あぜ道の傍らにはワラビも大きく育っているが、稀
には、まだ食べることが出来そうなものもある。農作業のおばあさんが持ち込ん
でいるらしいラジオの音が少し耳障りだが、時折なにか鳥の声も聞こえる。アザ
ミやタンポポ、ニガナ、ニワゼキショウなどの花が目を楽しませてくれる。
登山道に入ると、しっとりとした落ち葉の道が続く。所々に丁石のあるところ
をみると古い道のようだが、あまりいい山道ではない。昔はもっとちゃんとした
踏み跡だったのだろうか・・・10分くらいだろうか、ひとしきり登ると尾根筋
に出る。雑木が多く展望がひらける訳でもないが、ぐっと明るくなる。休憩所が
あるが、ほとんど壊れている。
緩やかな尾根筋の登りとなる。下りてくる夫婦連れ2組とすれ違う。もうお昼
も過ぎているので下ってくる人も多い。私たちは車だから手軽に考えているが、
そうでなければ、登山口からバス停まででも小一時間かかるだろう。今回のコー
スの核心部にさしかかる。やせ尾根の登りになる。ファミリーの子供たちだけ3
人下りてくる。私の近くで1人尻餅。「下りは急ぐと危ないよ」と声をかける。
場所は何処だか判らないが・・・このコースかどうかも知らないが、この山で去
年1人死んでる。数年前にも行場で1人死んでいる。低い山だといっても馬鹿に
してはいけないのだ。お父さんとおばあさんらしき2人も下りてくる。やせ尾根
を過ぎ、つづいて、堀割の急な登り。濡れた岩が滑りやすい。急坂を登りきると
杉林の緩やかな登り。ほどなく、林道に出る。
のんびりと林道を登る。トイレのある広場まで来ても誰にも会わない。この辺
りは人が多いところなんだが・・・ 広場の先で左に折れ、舗装された道を
まっすぐ登っていく。送電鉄塔を越え、少し登ると舗装された自動車道。右手に
100mほど歩くと左手に山門に続く細い道がある。この辺りまでくると参拝の
人の車やハイカーも多くなる。多宝塔の裏にある頂上まで一気に登る。
珍しく頂上には誰もいない。まあ、お昼の時間も随分過ぎているしな・・・(^_-)
頂上の広場の奥にシートを広げ、遅い昼食にする。
休憩していると単独男性一人上がってくる。休憩を終えて下りかけると男性2
人連れが上がってくる。一人は外人さん。お寺に来た人がついでにあがってくる
・・・そんな気軽な山頂だ。
下りは花の写真を撮ったりしながらのんびりと歩く。登りの途中でヒトリシズ
カを見た・・・と家内が言うので、目を凝らしながら歩くが、なかなか見つから
ない。山門近くで草刈機が唸っていたので、刈られちゃったかなあ・・・とがっ
かりしていると、随分下ったところにあった。そんな調子でブラブラと歩いてい
ると、先ほどの外人さん連れが車で追い越して行く。
登りと同じルートを下る。
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