犬鳴山周回山歩「大阪」

1996年 2月 11日(日曜日)

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低山徘徊日記
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天狗魔王
(C)1996 Akiyuki Kuroe All rights reserved.

 ある猟師が、愛犬を連れて狩りに出かた時のことです。一頭の鹿を見つけ、狙
いを定めたところ、急に犬が鳴き出して獲物は逃げてしまいました。怒った猟師
は愛犬の首をはねてしまいました。はねられた犬の首は、まさに猟師を呑み込も
うとしていた大蛇を噛み殺して主人を助けたのです。猟師は愛犬の墓を作り、ね
んごろに弔ったのが、この犬鳴山の由来だそうです。

 犬鳴山バス停から不動谷に沿った遊歩道を登る。不動堂まではよく整備された
参道だ。不動堂の近くになると人も多くなる。別のルートから、ここまで車で入
れるようだ。大きなお不動様の前は一寸した広場になっているが、そこが凍って
いて観光客の男性が、目の前で転倒。こりゃ、用心しないと・・・

 お不動さんの右手の角から燈明ケ岳への登りが始まる。急な斜面をジグザグに
登る。大した高度差が無いのは判っているので頑張って登る。途中、単独の老人
を追い越すが、今日出会った登山者は、この方と後で出会うファミリーのみ。意
外と登山者は少ないようだ。時折、ゴーンと鐘の音が下から響いて来る。なかな
か、雰囲気のある登りだ。

 尾根筋の空が広く見えるようになった・・・と思った途端、燈明ケ岳に到着。
石造りの祭壇と、かがり火の設備がある。これで、燈明ケ岳というのだろうか。
ここは山というより、山腹に迫り出した舞台のよう感じだ。少し休んでいると、
先程の老人が上がってくる。「いつ来てもシンドイなあ・・・」よく登っておら
れるようだ。少し頑張って、急な尾根を詰めると経塚権現山。葛城第8番経塚が
ある。ここは、ちゃんとした頂上だ。

 少し下り、左右への分岐点で、右のルートを取って天狗岳を目指す。この辺り
には、今日通った人はいないようで、昨夜の雪に足跡をつけて歩く。これが、気
持ちいい。最後に少し急な坂を登り天狗岳に到着。天狗の像がある。少し雪が掛
かっている。これが気に入って、三脚を立てて、写真を何枚か撮る。

 しばらく休憩して、先程の分岐迄戻り、直進して五本松を目指す。しばらく行
くと、左手のピークに登る道と直進する道とに別れている。直進すると、林道に
早く出そうな気がしたので、612のピークと思われる方を目指すことにする。
杉の植林の中を縫うように登る。ピークには、小さなお地蔵さんが祭られている。
昔のガイドブックでは、ここが天狗岳となっているが、今はなんのプレートも無
い。ただ、林道・五本松の方向を示す板切れが転がっていた。

 尾根筋を東に向かう。少し行くと道は藪っぽくなり、灌木や草の葉に積もった
雪が落ちて頭や衣服を濡らす。行く手の雪を棒で払いながら進む。短い距離だと
思ったので、装備は変えない。一ケ所急な登りがあって、足元が滑り易く補助ロ
ープが張ってある。その急坂を登りきると、北と東に尾根道が別れている。コン
パスで確認して、もちろん、東へ進む。次のピークは北側斜面を巻く。傾斜の緩
い快適な道だが、急な斜面の山腹につけらていて、一寸気を使うところもある。
前方が少し明るくなってきたナ・・・と思った途端、林道に飛び出す。

 日が当っているポカポカと暖かい道端にシートを広げて昼食にする。南海電車
の難波駅で買ったかしわ弁当だ。弁当を広げようとしていると、オートバイが2
台轟音をあげて五本末の方へ通り過ぎていく。その後は静かな山に戻る。昨夜降
った雪が、ところどころマダラに残っている。「大阪にも、こんな素敵なヤブ山
が、まだ残っているのだナア・・・」と話ながらパクつく。

 ここからは林道を歩いて五本松を目指す。未舗装の林道なので、比較的、気持
ちよく歩ける。緩い登りだ。しかし、やがて舗装された道に飛び出し、左折しす
る。行く手にはハイランドパーク粉河(コガワ)の展望台やあずまやが見えてくる。
五本松は展望台のところのようだ。このまま本線を行くと和泉葛城山へ通じてい
るのだが、駐車場の傍らから、左の細い林道に入る。

 緩やかに下り、橋を渡って、大きく右に曲がるところで、直進して高城山へ向
かうはずなのだが、なんと、そこに地図に無い林道が出来ている。道端のテープ
を手掛かりに右手の登山道へ入るが、殆ど林道と平行して歩くことになる。何度
か林道に下りたりする面白くない道だ。高城山の一つ手前の625のピークを下
りたところで、向かい側からやってきたワンちゃん連れのファミリーに出会う。

 「高城山はまだでしょうか?」と尋ねられ、「さあ〜て、わたしらもよく判ら
ないんだけど、今下りてきたピークだったかも・・・」と話をしてすれ違う。も
う、通り過ぎてしまったのかと一寸心配だったが、少し行くと分岐があって、こ
こらが高城山のようだ。分岐に案内表示が無いので、一寸判り難いが、右手の高
みに登ってみると山名のプレートが沢山ぶら下がっている。さっきの人達に教え
てあげようかと「お〜い、こっちですよ〜」と叫んでみる。聞こえないかと思っ
ていたが、何回か叫んでいると、返事があって、暫くして、戻って来る。高城山
はこの山域の最高峰だが、植林の為、展望皆無。一寸寂しい。

 高城山からは、分岐の道標に従って犬鳴山を目指す。なかなか素敵な尾根道だ。
どこか、こんな素敵な尾根があったなあ・・・と思うのだが、思い出せない。大
阪の山も棄てたものじゃないネ (^^)v  大きく下って少し登り返すと高鍋山。
テープなどが少しハデに張ってある程度。ここで、道標に従い、すぐに左に下れ
ばよかったのだが、一寸、行き過ぎて、アレアレ、このままでは上大木へ下りち
まう (^^! 「また、道、間違って〜」家内のブーイングを無視して、先程の分
岐までサッサと戻って、下山にかかる。沢筋の割とゆるやかな下りだ。

 30分程で、犬鳴トンネル下へ出てくる。再び、お不動さんの広場に到着。ベ
ンチに腰掛けて休憩。ピンチ食のパンを食べて、一息ついて、犬鳴山のバス停へ。


1996年 2月 11日(日曜日) 晴    (メンバー)芳子

        10:00          150.0m  犬鳴山バス停                  
       10:25-10:30    250.0m  不動堂                                     
       11:00-11:05    558.0m  燈明ケ岳                                    
    11:10                  経塚権現山                                  
       11:20-11:40    558.0m  天狗岳(昔の本では"燈明ケ岳")                
    12:00          612.0m  峠の地蔵(昔の本では"天狗岳")                
       12:30-12:55            林道出合                                    
       13:35-13:40            五本松峠                                    
       14:20-14:30    651.0m  高城(タカシロ)山                                
    14:40          569.0m  高鍋山                                      
       15:25-15:40    250.0m  不動堂                                     
       16:00-16:11    150.0m  犬鳴山バス停                               

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