険しい道もある生駒山

1996年 11月 3日(日曜日)

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愛しの生駒山
低山徘徊日記
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 早く起きて、大台の方へでも行こうと思っていたが、目が覚めたら、もう6時
 過ぎ・・・今から出たんじゃ道路が混んでるだけだろうな・・・と、目的地を
 生駒山へ変更する。そうと決まれば、もう一眠り (^_-)

 結局10月は一度も生駒山には行く機会がなかった。久し振りの生駒には、久
し振りのコースで登ってみることにする。近鉄額田駅から天龍院への道は、沢沿
いの舗装された道だが、途中からは細くなって普通の車は通れない。この辺りは
宗教の匂いのプンプンするところで、仏教系・神道系の小さなお寺やナニナニ院
といったものが沢山ある。といっても、立派な寺院というのは殆ど無い。普通の
民家に、一寸それらしいものが付いているだけだ。小さな社や注連縄などで、な
んとなくそれと判る。歩いていると、読経や太鼓の音が聞こえてきたりする。道
端には、お地蔵さんや石仏も多く祭られている。

 昔はもっとスピーディに登っていたような気がするのだが、明らかにペースは
遅くなっている。でも、心地好い風に元気を出して頑張って歩く。このペースだ
と楽に歩ける。その道の終点にあるのが、天龍院だ。最後に階段を登っていくと
本堂前の小さな広場に出る。その傍らには小さな滝(長尾滝)があって、行が出来
るようになっている。反対側には参拝者の休憩所がある。ここへは車で来る方法
はないので、どんなお年寄りでも時間をかけて歩いて登ることになる。この休憩
所の縁台に腰を下ろして、一休みするのだろう。

 今日の参拝客はお一人だけ。その人もすぐに下っていく。お寺の人がのんびり
庭掃除をしている。広場の真ん中に枯れ葉が掃き集められている。

 参拝後、奥の階段道を登る。ここから先が本格的な山道になっている。何度か
通ったルートだが、時期によっては、ヤブっぽい時もある。この日は、最近に草
が刈り取られたところのようで、比較的歩きやすくなっている。滝の上に出てし
ばらく行くと、行滝に続く小さな沢を右岸に渡る。沢に添って緩やかな道を登っ
ていく。

 分岐がある。直進すると比較的平坦なが続き、やがて額田から生駒山頂へのハ
イキングコースへ合流するのだが、ここで、左の踏み跡に入る。すぐに別の沢の
左岸を歩くようになる。源頭近くで右岸に渡り、最後の急斜面の登りとなる。知
ってる限りでは、生駒で最も険しい登りだ。先週の依遅ケ尾山や大江山の比では
ない・・・(^_-) といっても、高度差で100メートル弱しかないと思われる。
急な草付きの道は滑りやすく、足場を選びながら登る。注意して歩いていたつも
りだが、一度大きくバランスを崩して、思わず三脚の足で身体を支える。木の幹
にすがるようにしたりして、ようやく少し平坦な踏み跡に出る。

 立ち休みして、家内の上がって来るのを待つ。「滑って登れない・・・」との
声がする。「右に回って・・・」とか声をかけるが、なかなか上がってこないの
で、ザックとカメラを置いて迎えに下りる。でも、私のHELPを待つまでもな
く自力で上がってくる。

 ここからの踏み跡も、時にはヤブがきついこともあるのだが、幸い草刈りされ
ていて歩きやすくなっている。右に少し登るとアンテナ設備の裏手のピークに到
着。サザンカが咲いている。薄いピンクの花だ。休憩して写真を撮ることにする。

 アンテナ設備の前の遊歩道へ下り、右手へ進む。おっさんが一人、こんなとこ
ろで、愛犬の散髪をしている。この遊歩道まで来るとハイキングの人もいて、何
組かとすれ違う。ただ、メインルートではないので静かなものだ。やがて、額田
からのメインルートを横切り、左手の踏み跡に入り縦走路を目指して登る。縦走
路から暗峠へ下る。峠で、道端で売っていた漬け物を買う。少し登りかえして大
原山山頂。

 山頂に近づくと、大勢の子供達の声が聞こえてくる。「こりゃ、うるさそうだ
な・・・」と、一寸手前の日だまりで少し遅い昼飯にする。空気が冷たく、余り
汗をかかなくなったせいか、初めての水分補給となる。

 山頂の広場に出てみると、すごい人出。何組もの団体が来ているようで、一寸、
マツムシソウの写真を撮っただけで、公園事務所へ下りる。公園事務所辺りも人
が多い。下山していく団体と少し距離をおくために近くの花などを見てまわる。

 白い小さな花が咲いている。ミヤマカタバミだ。特徴のある葉っぱだが・・・
これは、春の花じゃなかったっけ・・・ウメモドキやヒメリンゴ(リンゴカイド
ウ?)の赤い実もなっている。ホトトギスが一輪咲いている。白いお茶の花もあ
る。ヨメナツワブキも咲いている。

 フィルムを入れ替えていて、えらい失敗に気付く。フィルム感度の設定が間違
っている・・・^^; まあ、しゃあないか・・・

 事務所のおっちゃんが寄ってきて、いろいろ説明してくれる。少し斜面を登っ
たところに、夕日のきれいなポイントがある・・・ということで、連れていって
もらう。関西国際方面が望める。大阪湾が銀色に光っている。その奥に微かに見
えるのが空港橋らしい。夕焼けにはまだ時間がありそうだったので、次の機会に
狙うことにする。

 枚岡梅林まで一気に下り、帰途につく。


 3連休で、どこの行楽地も混んでいるだろうし、交通渋滞も酷いだろう・・・
 こういう時に、生駒の山で人の少なそうなルートを選んで、のんびり歩くのも
 オツなもんだなあ・・・などと、朝寝坊して大台へ行けなかったチョンボを、
 自分自身に一生懸命、言い訳するのでした (^_-)


1996年 11月 3日(日曜日) 晴れ (メンバー) 芳子

        11:10                 近鉄額田駅                   
        11:40- 11:50           天龍院(長尾の滝)               
        12:20- 12:30           アンテナ設備                  
        13:30- 14:10   522.0m  大原山                     
        14:30- 14:55           公園事務所                   
        15:25- 15:30           枚岡梅林                     

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