ガス後晴れ・八剣山「大峰」

1998年 7月 5日(日曜日)  曇り後晴れ

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低山徘徊日記
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 週初めに体調を崩し、今回はマイペース登山に徹する・・・なんて書く と大袈裟だが、かねちゃんのヤングパワーに着いていく自信がなかった ので、ひとあし早く登り始める計画とする (^_-)

 5時少し前に自宅を出発。大峰方面・・・やや雲が厚いものの、まあな んとかなりそうな感じ・・・R169は湯盛温泉から先がトンネル開通で 随分便利になっているので、このルートをとる。柏木の手前で、一旦対岸 に渡り仮設の道路に戻る。今回初めて通って知ったのだが、柏木を過ぎ、 入之波温泉への分岐を過ぎてからも新しいトンネルが開通していた。伯母 峰トンネルの手前に一つだけ工事中のトンネルが残っていて、そこを迂回 するところがまだ残っているが、ややこしい所が少なくなって随分早く行 けるようになっている。

約2時間で登山口のトンネル西口に到着。朝、早いせいもあって、橋を 渡って直ぐのところに車を止める。今のところ20台くらいの感じ。車を 下りると、風が強く意外に寒い。穿いてきたタンパンに見切りをつけ、長 ズボンに着替える。

早速、出発。少し奥の沢の手前まで来て、ICレコーダーを忘れたこと に気がつく。スボンを穿きかえた時に忘れたようだ。慌てて引き返す。改 めてスタートを記録。7時15分だ。  沢に吊り橋(まあ木橋だが一ヶ所吊ってある)が出来ている。その沢か らの取付きにも木の階段が新しく作られている。沢を渡れない訳ではない のだが、折角なので吊り橋を渡らしてもらう。  奥駈道との出合いまではこのルート一番の急坂だが、今日は体調のこと も考え、ゆっくりのペースを持続させる。それでも、途中休憩の何組かを 追い越して奥駈道に出る。ここにはベンチもあるので、何時もは一息入れ るのだが、スローペースで上がってきたせいか、あまり疲れを感じない。 芳子は休憩を期待していたようだったが、そのまま弁天の森まで登る。う 〜ん、なかなか快調のようだ。体調の不安はかなり払拭される。

 弁天の森で一息入れて出発。途中、芳子に教えられてショウキランの写 真を撮る。濃いガスに包まれたショウキランは生き生きとして花びらを開 いている。帰りに判ったことだが、この花は日が照ってくると元気がなく なる。帰りには萎れてしまっていて、僅かに木の祠の奥の花だけがしっか り花びらを開いていたのが印象的だった。

 写真を撮っている間に先行した芳子の後を追う。聖宝ノ宿では沢山の人 が休憩中だったが、その中には見当たらない。ここからはルートが二つに 別れているので、どちらに行ったか少し気になったが、いづれにしても少 し上で合流する・・・何時も登りに使うコースを登る。急斜面のシグザグ 登りで、かなり上の方を歩いている芳子を認める。まあ、その内追いつく だろう・・・

 もう一つのルートとの合流地点を過ぎ、その少し先から長い折り返しの ジグザグの登りとなる。石畳のように整備された名残りもあり、修験道の 歴史を感じさせる道だ。傾斜はやや緩やかになり、ホッと一息つきつつ登 る。二つ折れほど登ると足元が少し悪くなり、やや傾斜を増してくる。こ の辺りでようやく芳子に追いつく。

 かなりガスもあり、時折ポツリときたかと思うとパッと日が射したりす る。この山は、午前中、山頂付近がガスに覆われているのは、よくあるこ とらしい。大きく崩れそうな感じは無かったので、ただ黙々と登る。山頂 直下にはオオヤマレンゲの花が沢山咲いていた・・・らしいが、これは山 頂で出会った人に聞いた話し・・・登る時は下ばかり見ていて全く気が付 かなかった。帰りによく見ると沢山咲いている。この付近に沢山咲いてい ると知っていたら、もっと気をつけて登ったのだろうが、登るの一生懸命 で、なかなか気が付かないものだ。

 先程のショウキランとは逆に、オオヤマレンゲは日が射してきて花も大 きく開く。帰りに見ても十分に堪能できた。日が射してくると花びらが開 いて都合はいいのだが、ガスの中のオオヤマレンゲもムードがあって捨て がたい・・・ガスの中では、あまり開いていない・・・辛いところだ (^_-)

 弥山の小屋の前で休憩。大普賢岳に登っているだろうPLUTOさんを2mで 呼んでみるが、応答無し。この時間じゃ、まだ、山頂じゃないわなあ・・ ・と諦める。このあと、八剣山から、そしてまた戻ってきた弥山小屋前か ら何度もコールしてみるが結局通じず。事前に打ち合わせをしてなかった のが悔やまれる。

 いよいよ、八剣山へ向かう。登ってくる途中ですれ違った人に、花が咲 いてる・・・とは聞いていたので、安心ではあったが、はてさて、どんな 具合なのか・・・以前は、下りきったところのザレ場あたりにも咲いてい たのだが、この数年見ることができなくなった。エサが少なくなったのか、 シカが木を枯らしたり弱らせたりしているらしい。昔から自然界で共存し てきたものが、今は出来なくなったということは・・・なにかが、自然の バランスを崩してしまったからなのだろう・・・苦肉の策として、シカ避 けの防護ネットが張られている。金網の戸を潜ってオオヤマレンゲの"保護 区"に入る。確かに、保護された花は咲いている。年に一度、こうしてオオ ヤマレンゲに会えるのは大きな喜びだが、周囲をネットに囲まれた中とは ・・・厳密には、もう自然とはいえなくなってしまった。情けないことに なってしまったものだ。

 写真を撮りながらブラブラと登っていくと頂上。芳子と並んで腰を下ろ すが展望は皆無。ガスは薄くなり陽射しも明るくなってきてはいるものの 遠望はきかない。弥山もほとんどガスの中だ。

 やがて、登ってくるであろうかねちゃんパーティを待つべく、かなり、 長い間頂上で過ごす。おにぎりの昼食を食べた後、明星ケ岳方面に少し踏 み入ってみる。バイケイソウなどのポイントもあるのだが、今年はもう遅 いようだ。弥山小屋前のバイケイソウの花も、もう枯れかけていた。少し、 歩いただけで、そうそうに引き返す。

 かねちゃんだったら9時に出ても11時半くらいには着くはずだけどな あ・・・予定が変わったのかなあ・・・と思いながら、とにかく弥山小屋 まで戻ることにする。下りかけると陽が射してきたせいか。オオヤマレン ゲの花が随分開いていることに気がつく。芳子には先に行ってもらい、再 び撮影モードへ。

十分満足して弥山との鞍部までやってくると、丁度かねちゃんと俊一く んが下りてくる。「あきゆきさん、先に登っちゃって・・・」とやや非難 めいた趣き・・・「すんませんなあ、今日は体調がもう一つだったので・ ・・」と言い訳して「まあ、取り敢えず行ってきてください。」と別れる。

 岩のゴロゴロした道を登る。去年の夏、雷の中を登った時、思わず、身 を伏せたのはこの岩影だったろうか・・・などと思ったりする。

 再び、小屋前で休憩。どんどん天気が回復してくる。しばらくすると、 かねちゃん達が戻ってくる。急に賑やかになる。飲み食いしながら、おし ゃべりして、いよいよ下山。

少し下ると確かに咲いている。それも一輪や二輪ではない・・・登山道 から見える範囲でも沢山あって、こりゃ八剣山との鞍部より多いかも知れ ない・・・写真を撮ったりしながらのんびり下る。途中の展望ポイントか らはPLUTOさんの登っているであろう大普賢岳・その手前の行者還岳左手に 広がる山上ケ岳から稲村ケ岳・・・その手前のバリゴヤの頭・・・登る時 には完全にガスって見ることの叶わなかった大峰の山々が大きく広がって いる。

聖宝ノ宿で一休み。帰途でもう一度ショウキランを見る。写真を撮った りしてグスグズしていると俊一くんが戻ってきてチョコレートのお菓子を 分けてくける。「じゃあ・・・2つもらうねぇ・・・ありがと」というとニ コニコして去っていく。でも、後で聞くと割り当ては1コだったそうだ (^_-)

なんやかやとおしゃべりしながらトンネル西口への分岐まで到達。ここで 最後の一休み。カメラと三脚をザツクに収め、両手を開けて急な下りに備 える。下山するパーティが多く、登りより時間がかかってしまう。登山口 の沢で身体を拭う。車の場所まで戻ってくると、朝には咲いていたホタル ブクロの花がなくなっている。ウヌ・・・ (-_-メ) その代わりというわ けではないがコオニユリの花を見つける (^^)v

俊一くんのたっての希望もあって帰りには温泉に寄ろうと計画したが、 予定していた湯盛温泉には入ることができず、断念。こりゃ、上北山村の 方へ行くべきだったか・・・申し分のない山行だったけれども、温泉に行 けなかったのがチト残念ではありました (^_-)

かねちゃん、お疲れさま・・・俊一くん、また行こうね。

 1998年  7月   5日(日曜日)  曇り後晴れ  (メンバー)芳子
                       下山時 かねちゃん・俊一くん

         7:00-  7:15   994.0m  行者還トンネル西口                          
         7:55                  奥駈出合                                    
         8:15-  8:25           弁天の森                                    
         8:50                  聖宝ノ宿                                    
         9:30-  9:50  1896.0m  弥山小屋                                    
        10:30- 11:25  1914.9m  八剣山                                      
        11:50- 13:00  1896.0m  弥山小屋                                    
        13:55- 14:05           聖宝ノ宿                                    
        14:40                  弁天の森                                    
        15:00- 15:10           奥駈出合                                    
        15:50- 15:55           吊り橋                                     
        16:00- 16:15   994.0m  行者還トンネル西口                          

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