大普賢岳、オオヤマレンゲ山行「大峰」

1996年 7月 14日(日曜日)

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低山徘徊日記
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ルートマップ

 4時45分起床。5時30分出発。田原本でR24を離れ、桜井から榛原、新
子(アタラシ)を経て大滝でR169へ入る。かねちゃんは迷わずに来れるだろうか
・・・と気にしながら、通いなれた和佐又への道を走る。

 大台ケ原への分岐を過ぎ、トンネルを抜けると、すぐ、右手の和佐又林道に入
る。夏草の繁茂した林道も、上部に行くほどよく整備されており、いつも崩れか
けていた道端の崖もコンクリーで固められている。

 和佐又ヒュッテ前に到着。正面の和佐又山の空は青く晴れ上がってドピーカン。
雲一つない夏空が広がっている。ヒュッテ前の駐車スペースは、ほぼ一杯。入口
横の木陰に駐車。駐車料金を払いにヒュッテに入るとPLUTOさんとつんつん君が朝
食中。ついでにトイレを借りて車に戻り、身仕度を整える。

 道端のユリの蕾などを眺めて、「どんな花がさくのだろうね」などと話しなが
らかねちゃんを待つ。下の方から車のエンジンが響いてくると「おおっ、きたか
な・・・」と待ち受けるのだが、3度ほど騙される。ようやく、8時丁度にかね
ちゃんも無事に到着。聞くと、道に迷うこともなく、順調に来られたようだ。顔
合わせが済んだところで、出発。PLUTOさんの奥さんも和佐又のコルまで一緒に登
ることになった。

 ギラギラと照り付ける陽射しに閉口しながら歩くが、樹林帯に入ると殆ど気に
ならなくなる。ただし、ドッと汗が噴き出す。PLUTOさんも結構汗かきのようだ
が、かねちゃんは全然汗をかかない・・・羨ましい体質だ。

 和佐又のコルで後続を待つが、なかなか現れない。PLUTOさんが奥さんに無線
で呼び掛けて、彼女が途中から引き返したことが判明。無線の威力をまざまざと
見せつけられる。それにしても家内が遅いので、私だけ様子を見に戻ることにし
て、他の方には先に行ってもらう。

 家内と一緒に、先行の3人を追うようにブナの尾根道を登る。無線でPLUTOさん
にコンタクトを試みるが、アレッ、電池切れで発信不可・・・(^^;   緩やかな登
り道は、木陰になって、強い陽射しを受けることもなく快適。やがて、先行の3人
と一緒になり、笙の窟に到着。一休みとする。窟の隅には小さなテントが張って
あり、どうも様子からすると修験者の仮住まいのようだ。休んでいると、朝早く
上がった人が、もう下山してくる。PLUTOさんの言によると、天気がいいこともあ
り、早朝から沢山の人が入山して行ったそうだ。

 つんつん君はここから確保用のロープを付けられる。ここからは、梯子も多く
なり、特に注意が必要だ。石のゴロゴロとした急斜面を詰め、日本岳のコルに這
いあがる。ここから尾根道となるが、大きな岩を巻いたり連続する梯子で登って
いく。

 石の鼻で小休止。岩に登ると面前の日本岳が、すぐ右下に和佐又山が望め、遥
か東には大台ケ原の山なみが続く。振返ると小普賢岳、その右奥に大普賢岳の切
り立った絶壁が行く手を阻むようにそそり立っている。修験者の姿の人が下りて
くる。これが、良く見ると「な、な、なんと・・・」外人さんだ。日本人でも、
なかなか出来ないような修行をされていることに驚いてしまう。笙の窟のテント
の主はこの人か・・・・

 ここから、一段と厳しいルートになる。梯子や木橋が掛けてなければ、こんな
に気楽には登れないところだが、一歩間違えば、命の危険があることには違いは
ない。慎重に足を運ぶ。小普賢岳の肩から一旦少し下り、いよいよ大普賢岳への
登りとなる。PLUTOさんの説明によると、ルート右には少しだけ木や草が生えて
いる部分があるのだが、その先はストーンと切れて、垂直の崖になっているらし
い。

 お地蔵さんのところに着く。一冬の風雪に耐えて、昨秋と同じ様に立っていて
くれてホッとする。一休みしようとすると「なんで、こんなとこで休むの・・・」
とつんつん君。まだまだ、元気一杯だ。線香を手向け、暫くの時を過ごす。いつ
までも、行きかう人を見守って欲しいとの思いを残し、お地蔵さんを後にする。
 
 最後の急な斜面を登ると、いよいよ、オオヤマレンゲの咲いているハズの場所
に近づく。「これがオオヤマレンゲの木なんですけどね〜、咲いてませんね〜」
などとかねちゃんに話し掛けながら進む。「ウッ・・・」なにか白いものを見つ
け、「おお、あった、ありましたよ〜」後から来た家内にも教えてやる。・・・
とはいうものの、その一輪だけ ^^;

 奥駈道に出る。左へ少したどれば、頂上はもう近い。ここから頂上までが、去
年、オオヤマレンゲの花が一杯咲いていたところだ。去年はここで沢山写真を撮
った。最後の期待を抱いていたところだったが、ここも皆無に近い。注意深く辺
りを見回して、ようやく、わずか3輪を認めただけだった。取り敢えず頂上まで
登る。

 ようやく、頂上。「割と狭いですね〜」とは、かねちゃんの第一声。頂上では
4〜5人が休憩中だが、頂上といっても、縦走路そのもので、すぐ満員状態。ま
だお昼には早い時間なので、小休止の後、七曜岳から無双洞へ向っていく人も多
い。ある単独の男性は柏木へのコースへ向かったようだ。

 少し木陰のある、奥の小さいスペースに荷物を下ろして、休憩。まだ早いけど、
昼食にする。急いで下りるのももったいないので、のんびり展望を楽しむ。少し
雲が出てきていたが、まずまずの展望。山上ケ岳から左にまわって、小稲村岳・
大日岳の特徴あるピーク・稲村ケ岳・ググ〜ッと下りてPLUTOさんが苦戦したバリ
ゴヤの頭・今の春私の行った鉄山・ぐっと登って台状に広がる弥山・左端に一寸
尖がっているのは八剣山か・・・さらに、左手遥かには釈迦ケ岳が続く。また、
弥山から左手手前には、行者還岳、眼下の七曜岳と続く。

 かねちゃんは、乱舞するアキアカネを器用に帽子で捕まえる。つんつん君、喜
んでいたようだが、恐いのか・・・手に持つことができない・・・^^;   しばら
く遊んでトンボは空に帰る。

  十二分にのんびりしたあと、下山にかかる。もう、今日は撮るまい・・・と思
っていた、数少ないオオヤマレンゲ、やっぱし写真に撮ることにする。「先に下
りときますよ〜」という声に「いいですよ〜」と答えておいて、じっくり写真を
撮る。

 小普賢の肩で、休憩がてら待っていてくれたみんなに追いつく。その後、石の
鼻で休憩。かねちゃんはスケッチ、私は写真を撮ったりして展望を楽しむ。PLUTO
さんも親子の触れ合いタイムだ。「もう少し、風があるといいのにね〜」とは家
内の弁。

 笙の窟でまたまた一服。朝のテントは、やはり往路に石の鼻で出会った外人の
修験者さんのものだった。その後、最後の梯子を下りたところで、つんつん君も
ロープから開放され、元気よく下っていく。いつものこと乍ら、この緩やかなブ
ナの林の下りが、いい。

 ロッジに到着後、自動販売機のジュースを買って、また一服。かねちゃんは、
「思っていたほどシンドクはなかった・・・」と、まだまだパワーが残っている
ようすだ。目的のオオヤマレンゲは、殆ど咲いていなくて、初めて大峰に足を伸
ばしていただいたのに、一寸残念。都合、4輪ほどとは無いよりマシだが、一寸
寂しい・・・ ^^; トホホ 

 帰りの車では、すごい夕立に見舞われる。ただ、雨の降っているところと、降
っていないところが、はっきり分かれている。ワイパーを強にしても前が見難い
かと思えば、道路が濡れてもいないところにパッと出たりする。途中の大滝で、
以前に平熊さんに聞いたことのある美味しい「柿の葉すし」を晩飯用に仕入れて、
17時30分無事帰宅。

 家内もつんつん君の可愛いいヒモ付き姿を見ることができて、とても喜んでま
した。みなさん、有り難うございました。

1996年 7月 14日(日曜日) 晴後曇り (メンバー)PLUTOさん・つんつん君・ かねちゃん・芳子

         7:15-  8:10  1160.0m  和佐又ヒュッテ                                
         9:00-  9:15           笙の窟                                          
         9:30-  9:35           石の鼻                                      
        10:30- 11:40  1779.9m  大普賢岳                                     
        12:40- 13:10           石の鼻                                         
        13:30- 13:40           笙の窟                                          
        14:15- 15:00  1160.0m  和佐又ヒュッテ                                  

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