7時50分、近鉄名張駅発の掛車庫行きのバスに乗る。乗客はバスを降りるま
で、一人だけ。バスから見ると、山はうっすらと白い。
8時25分、曾爾(そに)弁天橋バス停。バス停のすぐ傍の橋を渡って、道は
左・右・左とカーブして民家を抜けて行く。民家の途切れる角に、右手へ折れ
る道があるが、その道を見送って、さらに4〜5分、林道風の道を直進すると、
右手に簡易水道の施設があり、そこから3〜40メートル行くと、右の土手の
上の木に、紅ケ岳登山コースの小さな案内板がある。
8時40分、紅ケ岳登山口。いよいよ、山道を登る。雪は、木立の上に少し積
っている程度。初めの10分程で、急な斜面に付けられた、綴れ折りの道を、
グングン登る。やがて、尾根の末端部に出てくると、傾斜は緩くなる。この辺
りから、1〜2センチの積雪となってくる。途中、一寸した岩場を越して、暫
く行くと、まっすぐ、登って行く道と左へ回りこむ道に別れている。
ここで、最初の判断ミス(だと思う)。直進する道は、少し細く木の枝などで、
通り難そうな感じだった。左の道が本道のような気がした。それで、左へ行っ
てしまった。直に、沢沿いの道になり、積雪も多くなる。道を間違えて、蛇谷
に入ったことには、すぐ、気が付いたのだが、引き返すのも面倒なので、沢筋
を登ることにする。道も付いている。蛇谷の終点から、一登りで、広い尾根に
たどり着く。稜線を左に折れて、スグ山頂。
恐る恐るプレートを見ると、恐れていたとおり、国見山(三国山ともいうらし
い)。紅ケ岳(べにがたけ)へ行くつもりだったのに・・・(^^;
9時30分、国見山(883)。5分休憩。今、登ってきた稜線を少し下り、
少し登ると紅ケ岳。たいした起伏はない。同じ山の2つの峰といった感じだ。
9時40分、紅ケ岳(860)。5分休憩。又、国見山へ戻る。
9時50分、国見山。15分休憩。お昼には少し早いが、おにぎりを2個食べ
る。天気が悪いせいもあるが、展望はない。紅ケ岳もそうだった。麓から見た
山も、雲がかかっていたが、ココは、その雲の真っ只中ナノダ。静寂そのもの。
時折、木立に積もった雪が、ゴソッと、吃驚するような音を立てて落ちてくる。
休憩後、中山峠を目指して下りる。始めは、軽快に下りていたのだが、途中、
枝道に入ってウロウロしながら歩く。
それでも、闇雲に、暫く下って行くと、雪に比較的新しい靴跡が出てきた。こ
んな日に、僕の他にも、登っているモノズキがいるのだナア、と思いながらも、
誰かが、登っているというだけでも、心強くなり、その踏み跡を追う。・・・
・・だが、その靴跡が自分のものである事に気が付くのに、そんなに時間は掛
らなかった。ゴム底の模様を確かめると、全く、い〜っしょ。往路に登った蛇
谷に出てきてしまったノダ。
予定の下山コースとは、かなり、違ってしまったが、往路に来た道を登山口へ
と向かう。この時刻になると、気温も、大分、上がってきて、木立に積もって
いた雪が解けて、小雨の中を歩いているみたいだ。でも、それが、ほてった身
体に、気持ちがイイ。
10時45分、登山口。
10時55分、曾爾弁天橋バス停。シャツを着替えて、バスを待つ。歩いてき
たせいもあるが、今日は、天気は悪いが、冬らしくない暖かさのようだ。
11時12分、帰途につく。
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