そぼふる天ケ岳・焼杉山「京都北山」

1995年 4月 16日(日曜日)

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低山徘徊日記
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 あまり芳しい天気ではないが、8時前のバスで自宅を出発。途中、パラパラと小
雨が降ったりしていた。だが、出町柳から乗った叡山電車には登山姿の客も多い。
貴船口辺りに来ると、車窓からは満開の桜が見事で、車内で思わず歓声が上がって
いた。鞍馬に着いた時は、辛うじて雨は降っていない・・・という状態。

 鞍馬の駅で団体をやり過ごしてから出発。山門の前を過ぎて少し行った右手に薬
王坂への道を示す道標がある。路端の溝には山からの水が勢い良く流れている。鞍
馬川に懸かる橋を渡り、石段を登ると、左手のお寺の前から山道になる。
 20分ほど頑張ると峠に到着。家内に待ってもらって、峠から竜王岳を空身でピ
ストンする。別にどうという山ではないが頂上には石碑と山名板がある。下りには
登りに気付かなかった枝道が何ヶ所かあり、「20分で帰ってくる」と言ってきた
手前、焦ってしまった。

 薬王坂の峠から左に折れて天ケ岳を目指す。家内が薬王坂の峠で待っている時、
2〜30人の団体が登って行った・・・そうだが、前方にその団体が見えてくる。
最後尾にいた人が、リーダーだったのかは判らないが、気のきいた人で皆に声をか
けて先に行かしてくれる。27人程いたらしい。さらに行くと三又岳の手前で夫婦
連れが休憩中・・・「あと、どれくらいか・・・」と聞かれたので、「半分くらい
は来てるんじゃないですか・・・」なんて答えたけど、ほんとは、まだ半分も来て
なかったのだ。このご夫婦、天ケ岳の山頂でまたお会いしたが、大原へ下りるとい
うことだった。雨なのに熱心なことだ。

 霧雨のような雨が少し強くなってきたように感じたので、三又岳付近で雨具のス
ボンをはく。その後、雨は小降りになったのだが、結果的には、これが正解だった。
時折現れる笹の葉や木の枝が濡れていたので、一人の時のようにがむしゃらに歩い
ていたら、ずぶ濡れになるところだった。
 杖さんが「長い・・」とおっしゃっていたので覚悟はしていたが、ほんとに長い
登りだ。ただ、急な坂はなくてダラダラと登っていく感じ。途中、花の写真を撮っ
たりしながら歩く。道標も整備されている。

 頂上の少し手前の、静原への分岐で、道端にうずくまる様にして3人の人がおに
ぎりを食べている。こんなところで・・・と思ったが、頂上まで来てみると案の定、
団体の昼食中。登山道にも人が溢れていて、人の足を跨いで山頂の広場に入る。聞
くところ47人の中高年の団体のようだ。出発の時、点呼してはりました。
 頂上の外れの隅っこに場所を見つけて陣取る。今日はラーメンとおにぎりだ。幸
い雨は小降りになっていて、なんとかお湯を沸かしたりできる。やはり、雨のせい
もあって休んでいると寒くなってくる。暖かいラーメンが有難い。最後には、杖さ
んのやっておられたコーヒーを、真似してたててみる。

 そうこうしいてる内に、団体は鞍馬の方へ下りていったようで、静かになる。昼
食後、寒くなってきたところで、焼杉山に向かって出発。焼杉山へのルートは以前
に使ったことがあるので、一寸油断したのが失敗。脇道に入るタイミングを間違え
て、随分手前でヤブ道に入ってしまい、結果、無名のピークを越しただけに終わる
・・・(^^; 
どうりで、途中で道に迷ったとき、家内から「道を覚えてないの・・・」と詰問さ
れても、「全然、覚えてないよ〜」と言ったことだった。以前に来たときより随分
ヤブっぽくなったなあ・・・と思いながら歩いていた。

 そこから少し下ったところで、本当の焼杉への脇道に入る。ここは、さっきと比
べ、しっかりした踏み跡が続いている。小ピークを過ぎ、少し下ったところで、右
手から上がってくる掘割状の道に出会う。そこで、左へ折れ、焼杉の北川の山麓に
沿ってのトラバース道へ入る。もう一本、左手の岩尾谷へ下りていく踏み跡もある。
道標は無いが、よく見るとテープに小さく「焼杉」と書いてある。
 この道筋、イワウチワの白い花の群落が目立つ。一応写真にはおさめたが、日陰
の斜面でもあり、小雨も降っているので薄暗く、うまく写せた自信はない。ストロ
ボも試してみる。

 前回は間違った沢を詰めてしまって、シンドイ思いをしたが、今日は赤テープを
忠実に追って、沢に沿った登りに入る。前回はこの沢を登らず、もっと先までトラ
バース道を行ってしまったようだ。立木に巻かれた赤テープで左岸から右岸に渡り、
ザレた巻き道を登っていくと、沢は二手に別れる。どちらにも踏み跡はあるようだ
が、今回は赤テープ通りに、向かって右手の沢に沿って登る。傾斜が緩やかになっ
てきて、尾根に出たところで左に行く。少し窮屈な斜面の踏み跡を、コンパスで位
置を確認したものの、不安を感じながら少し行くと、金毘羅山からのルートに出る。
これは、しっかりした踏み跡だ。ホッとする。今日は女房連れなのでネ・・・(^_-) 
左に登っていく。もう一度尾根筋に出た辺りが、前回沢から這い上がってきたとこ
ろのようだ。少し頑張って登ると、ようやく山頂。

 天気が良ければ見えるはずの蓬莱・武奈・皆子・天ケ森などの山々も、今日は残
念ながらなんにも見えない。少し休憩して古知谷へのルートを下りる。時折雨が強
くなる。ルートを失いそうになるところが何ヶ所かあるが、そこを慎重に下りる。
 この尾根にはシャクナゲが多い。5月頃の花の時期に来てみたいものだ。また、
小さな崖を下りたりする時には、イワウチワの白い花の群生が目に入る。
 雨のせいもあって滑りやすい。3つばかり小ピークを越えて、尾根道を下りてい
くと、送電鉄塔のあるピークにでる。コブシの白い花が近く咲いていた。コブシか
タムシバかはよく判らないが・・・(^^; 少し明るくなっていたので、三脚をセッ
トして写真を撮る。写真を撮っていると、また、雨足が強くなる。
 ここからはジグザグの下りになるが、道は歩きやすい。少し雲が晴れてきて、東
の山のゴルフ場のグリーンが目に鮮やかだ。2つばかり送電鉄塔の下を潜って下り
ていくと、ようやく古知谷へ下りてくる。古い山門の下に雨を避けて休憩。雨具を
片付ける。都合よく、16時32分のバスで帰途につくことが出来た。

 お天気がよければ・・・と思わない訳ではなかったが、雨にうたれても火照った
身体に気持ちの良い山行でした。竜王岳という山にも行けたし、薮っぽいコースも
歩けたし満足できました。そしてなによりも、あまり人の入らない所でイワウチワ
の白く可憐な花に出会うことができて感激でした。来年はシャクナゲの季節に訪れ
てみたいものです。できれば晴れた日に・・・

1995年 4月 16日(日曜日) 小雨 (メンバー)芳子
                                                                               
        10:00                  鞍馬                                            
        10:30          500.0m  竜王岳                                          
        10:40                  薬王坂の峠                                      
        12:20- 13:05   788.0m  天ケ岳                                          
        14:40- 14:55   717.6m  焼杉山                                          
        16:10- 16:32           古知谷                                          
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